新幹線か飛行機か。どちらの交通手段を使うかを分けるのが「4時間」という時間の壁であるという。駅が街の中心にあるが移動時間の長い新幹線か、移動時間は短いが、空港が遠く搭乗手続きなどがある飛行機か。格安航空会社などが隆盛する今、飛行機のライバルはもはや新幹線ではなく長距離バスだ、なんてコスト面からのみ語られるが、日本では、やはり飛行機vs新幹線が主流だ。

具体的な数値を見ると、東京駅から新幹線で3時間50分の広島駅までは鉄道が優位で、4時間20分の新山口までは互角。4時間55分の博多駅では飛行機が鉄道の9倍というデータが出ている(国土交通省やJRの調査による、朝日新聞参照)。

東北や九州など新幹線路線が拡充している。先日、鹿児島までの新幹線「みずほ」が運行されることになった。これで新大阪から鹿児島まで3時間47分で移動できることになる。東京と新青森間も3時間台での移動が可能になる将来、飛行機と新幹線の熾烈な客取り合戦が続く。

ちなみに、ドル箱路線の羽田・伊丹間は、移動時間の短さから新幹線優勢で、航空会社はコストを下げる作戦でしか太刀打ちできないと言われている。

これは世界的な動きで、だから、「長距離バス」ほどの低コストで運行する航空会社があるのだ。

いずれにしても、東京や大阪を中心に、東西へ「飛行機か新幹線」という選択肢ができることは結構だが、果たして、本当にそんなに路線なり線路がいるのか、ということも考えもののような気もする。

2010年8月29日記