「ベルリン国立博物館群エジプト博物館」のコレクションの中から選りすぐった
約130点を展覧するのが本展。古代エジプトをテーマにしながら
ピラミッドやツタンカーメンとは違う視点から魅せてくれる。

テーマは、古代エジプト人が信じた「天地創造と終焉の物語」。
とにかく、ひとつひとつの展示品の保存状態の良さに、
思わず、これは最近の作家の作品なのか?
と思うこともしばしばあるほどだった。

海から始まった創造の世界だけあって、展示室の演出は非常に深く、静かなもの。
この中にぼんやりと浮かび上がる1つ1つが古代を思わせる。

展示構成は
第1章「天地創造と神々の世界」
第2章「ファラオと宇宙の秩序」
第3章「死後の審判」

特に、アニメーション動画をつかっての死後の審判については、
9歳の息子にもしかっりと内容が分かり展覧会の丁寧さに感服だった。

それにしても、【日本初公開】というものが多い。

山犬の姿をしたアヌビス神像から始まり
ホルス神、イシス女神の像が並ぶ。小さくて精巧なとこに目を奪われる。

「セクメト女神座像」では、“破壊の女神の力で 疫病退散” 古代エジプトのアマエビ、
セクメト女神と写真を撮ろうなんて説明もあった。
このセクメト女神は、
癒やしの女神という側面も持ち、病気を治癒するなど人々の救済をする女神。

癒やしの女神としては、「バステト女神座像」の方が人気があったようだ。
今でも、この猫は癒やされるに違いない。
個人的には「ライオン頭の神マヘスの座像」が好きだった。

ファラオの章に入ると、大ぶりなものが目立つようになる。
ふと、「ハトシェプスト女王あるいはトトメス3世のスフィンクス像頭部」
という説明書きを読んでしまい、ああ、もういちいち名前なんてかまわない気になる。

この日は人出も多く、展示品に順番はないので空いているところからご覧ください
という案内通り、見て、心が動いたものだけじっくり対峙する。
写真撮影OKというのは、本当にありがたかった。

今回の展覧会の目玉。「デモティックの銘文のあるパレメチュシグのミイラ・マスク」。
本当に美しい。そして大きさがものすごく手頃だ。ぐるりと一周回って
正面に来て、また、ドキッとするほど美しい。ローマ支配時代の、今から1900年以上も
時空を越えてきたとは思えないほどの美だった。

その後も、目をひくもの、死んでから神像以外の臓器をとりだし
それらをいれる器があり、などなど死後の世界を垣間見つつ

最後の最後に、個人的には最高傑作の

「アテフ冠を被ったオシリス神の小像」に対峙。
冥界の王、オシリス神の像は最後の最後にきて、本当に心を持って行かれた。









 





 





 





 








 










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ANCIENT EGYPT THE CREATION OF THE WORLD
国立ベルリン・エジプト博物館所蔵
古代エジプト展

@江戸東京博物館j
2020年2月21日(日)