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青参道アートフェア
2010年11月03日

青山通りと表参道をつなぐL字型の裏通り、名付けて「青参道」。まず思うのは静かだ、ということ。そこに、小さなブティックや小物屋、ヘアサロンなど、言ってみれば自転車をポンと壁にたてかけるだけで「おしゃれ」に見えてしまう空気感・空間が広がっている。

そこで行われたアートフェアに行った。若手アーティストたちがショップ内に自分の作品を並べる。はたまたショーウインドウを飾る。この自然な存在感。ぶらぶら歩いて、思わずにんまりする。時には、アート作品よりも品物(たとえば、包帯を巻いた髑髏など)にも出会えたり。

インフォメーションセンターには、「白」をこれだけ柔らかく、そして強く意識させることができるんだと思わず感嘆する大矢加奈子さんの作品が並ぶ。オレリー・マティゴは毛糸で骸骨を並べてみる。まるで紅葉から枯れ葉の色合いで。Dはかわいらしいイラストを全面に出す。覗いた店、店員の気さくさ、そしてこの裏通りを歩いている若い男女の、なんとも「ええもん探し」の姿勢。それが、このアートフェアの良さ、だったりする。

で、個人的に「めっけた!」と思ったのは、奥原しんこさんの作品。幾何学的な直線で描き出す風景。ミロの初期時代の作品をみているかのようで、青い空も、赤い道路も、黄色い壁も、全部よかった。ぼんやりとそんな自分のめっけもんを目指して歩く時間。

ちょうど文化の日であったことも重なって、豊かな気分になった。