2003年7月29日
酸素も買う時代
    
先日、新聞に奇妙な写真が載っていた。
鼻からチューブを通し、前に置かれた容器から何かを吸収し、
写っていた三人が一様に「癒され」ていた。
見出しは「酸素を買う」。
酸素?わざわざそんなもんを買うのはエベレストに挑戦するときか、
人生の折り返しを回った人が、子供の運動会で「気合」だけで
100mを完走したときか。そのぐらいじゃないのか?と思っていた。

考えてみた。昔、「水」を買うことなど考えられなかった。
コーヒー牛乳の容器に泥水を入れて「ままごと」してた、そんな
僕の幼少の頃。スプライトだなんて嘯いて水をその瓶の中にいれ
ていた。
今、コンビニの冷蔵庫の中には何種類ある?
日本はまだましなほうで、「お茶」や「コーヒー」も冷やして飲む。
選択肢が多いというのだろうか?こうゆうのは・・・。
とにかく、真夏のあっつい日にがぶ飲みするには「水」の他にお茶
だったりアイスコーヒーだったりする。コーラ・・・、う〜ん、若いな。
それをするには歳をとりすぎている。
海外ではお茶なんてないので、常に水だ。ガスが入っているか
ピュアウォーターか。選択と言えばそのぐらい。

水。ざっと4種類ぐらいはすらすらいえてしまう。
エビアンでしょ、ヴォルビックでしょ、六甲のおいしい水に、天然アルプス・・・。
軟水だの硬水だの。ダイエットまで絡んで買い求めている。
それが当たり前って言えば、確かにそうゆう現状になっている。

さて、酸素。
まだまだ奇妙だ。わざわざ「リラ〜ックス」を絵に描いたような部屋に
行き、そこでぼんやり酸素を吸う。
そんなことを書いている今現在、僕の部屋では空気清浄機が作動
している。

携帯用酸素缶(8.5?入りで980円)なんていうのも書いてある。

水も酸素も「買う」時代。今のところ「光」は無料だ・・・。太陽の
パワーがこの先強烈に弱って、自然光に近い光量で600円って、これ
は笑い話か?SFか?分からないけど、今はとにかく鼻で笑いたい。

こんな時代をどう考えるべきなのか。
癒されたい、癒されたいとみんなが言う。癒されて活力が満ちれば、その力
をもって、また破壊活動を続ける。働くことが、壊すこと。
便利になる事が壊すこと。
このスパイラルは、まぁ、言ってみればデフレと一緒かな。

癒されて、その頭で考える事が大切だ!なんて僕は熱く思ってしまう。
水も空気も思いっきりすえる、そんな世の中の実現、再現を!ってね。
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