■ランチ 7,500円
 ・ヤングコーン
 ・海老 トマト
 ・サスティナビリティー、牛
 ・椎茸 バッカス
 ・分かち合う
 ・マンゴー
 ・アマゾンカカオ、贈り物

 シャンパン(グラス)1,800円
 赤ワイン (グラス)2,200円
 (一人、サービス料別)

枠にはまらないフレンチを創造する川手シェフの世界観。これはエントランスから、キッチンスタジアムといってしまえるほどの「場」に、透明の自動ドアを通って入場するというスタイルからもわかる。コの字型に18席のカウンター席があり、中央のスペースは見せる料理場。客は、その一つ一つの行程を眺めながら、目の前に出された皿の上の作品を頂く。そういった演出と質と味と試み(面白さ)に、アジアアワードはじめ、ミシュランも星を2つ付ける。客席には外国人が多かった。

頂いたのはランチメニュー。まずはシャンパンから。隣の席の妻と話し、そして目の前の「ショー」を見る。一皿目、ヤングコーンを籠に乗せ、運ばれたのは素と技を融合させた一品。だいたいいつも、この一品目の料理で、あ!と思う。いい店は、やはりいい、と。続いて海老とトマト。丁寧に育てられたトマトを塩をつけて食べる。甘海老はデーツのソースで。三皿目、メニューには「サスティナビリティー、牛」とある。これは、この店のコンセプトでもある「食材のバックグラウンド」を強く意識したもの。食品ロスの多い日本で、食べられることのない母牛の肉を、おいしく頂くための料理。しゃぶしゃぶのように薄切りにした肉をポテトソースとパセリなどと絡めて食べる。四皿目、椎茸とバッカスチーズのコラボレーションは、肉厚椎茸と薄切り椎茸が口の中でからまって、そこにチーズが来ると、こうも完璧になるかと思わせる。もちもちのパンを食べながら、赤ワインを。ブルゴーニュのピノ・ノワール、2011年もの。モレサンドニ。豊かな香りが広がる。そして、メイン。メニューには「分かち合う」と記され、この日、カウンターを囲んだ数組のお客さんと分ける料理。ホロホロ鶏のローストだった。丸焼きのホロホロ鶏を「写真用に」と見せられ、その後、米ともち米のブレンドを薄く焼いて味噌を塗ったものを上に載せ、鶏の骨で取った和風だしをかけ、下には鶏肉に合うソースがしかれている。もう、とにかく、鶏肉がパワー全開で、驚きの旨さだ。デザートはフレッシュマンゴー、そしてチョコのデザートプレート。チョコの美味しさは、もう換え難い。これまでの、チョコ系のデザートで一番だと、隣は妻は言う。茶菓子のフレッシュいちごのイチゴジャムコーティングを頂き、丁寧にいれられた紅茶、そしてコーヒーを飲みながら、この店でも誕生日プレートのお祝いを頂いた。食体験。こんなに楽しい店は、味のクオリティにプラス、一つのショーだ。

【フランス料理】
Florilege (フロリレージュ) @外苑前(青山)

2019年5月22日

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