THE HIGH LINE
ハイラインパーク

@ニューヨーク
2019年8月26日












マンハッタンの10番街に並列して走るかつての鉄道。
これは精肉を運搬するのに使われていましたが高速道路の発達で廃線。
その高架を、そのまま公園にしたというのがこのハイラインパークだ。
ミートパッキングエリアからハドソンヤードまで、全長2.3Kmの高架公園は、
まさしくマンハッタンの空中散歩。
北上するルートを取れば、左側にハドソン川、右側に街並みが見える。
それにしても、緑が豊かだ。

3つのパートに分けて順次オープンしたこの公園も、2014年に完成。
それから5年、今年は未開発地域だったハドソンヤードが姿を整えだし、
シンボルのヴェッセルも完成しただけに、ゴールとしてまるで、頂上についた〜と思わせる感がある。

さて、ハイラインパーク。少し気温の低めの日が続いた8月の終わり、
心地いい風が吹き、南端のおしゃれなホテルから、廃線の線路に沿って歩く。
この線形が、「歩く」ことを何とも心地よくさせる。
草花を見たり、ところどころに置かれたアート作品をみたり、
街を駆け抜ける車をみたり、壁画アートをみたり。
マザーテレサとガンジーの壁画が、まずは目を引く。








THE HIGH LINEのグッズ屋もあり、バーガー屋や屋台式カフェもあって、
ちょっとした休憩にもいい。そもそも、各所にベンチが多く、
ビュースポットも散りばめられているので、のんびりゆっくり、
景色の中に溶け込んで時間が流れる。
ちょっとだけ、京都の哲学の道を思わせるが、
それよりも目に飛び込んでくるものが刺激的だ。





もちろん、ランニングをしている人もいる。
A地点からB地点への道が、公園で、しかも空中(高架)というのは、
ちょっと他の都市ではないような気もする。
一つ、エンパイアステイトビルビューのおしゃれなマンションがあって、
ここに住んでいる人って、いったいどんな人だろう、
と思いながら、うらやましいなと思いながら。

私たちは北上するルートをとったので、ゴールがハドソンヤード。
都市計画の中で再開発プロジェクトがすすんでいるエリアだ。
今、造り出すエリアだけあって、いろんな先進技術をもったエリアになる予定で、
環境やデジタル、人と人の関わりが注目される。
その中で、シンボルともなるのがヴェッセルだ。
これは、階段と踊り場だけで出来上がった「建物」で、
アート作品ともいえる形状が見る者の目を見張る。
例えば、テレビ塔としてのスカイツリーのような実用性もなければ、
六本木ヒルズのようなオフィスビルでもない。
どこか太陽の塔にも似た役割のヴェッセルは、
てっぺんからの眺め(それほど高層ではない)よりも、
むしろ、下から見上げる方が面白い形状だ。








ハドソン川からの風が心地いい。そして、隣のショッピングビル(ユニクロが入っている)で、
イタリアンスーパーのデリでイートインして食べるのにちょうどいい。

アートエリアのミートパッキンから、再開発の最新エリア、ハドソンヤードまで、
線形でつなぎ、緑豊かなハイラインは、
これからも、ますますその価値を増すような。
などと考えるよりも、とにかく歩くと、
それはとても心地いいところだった。













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