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感情労働

スリップ&スーという言葉があった。「滑って転んですぐ訴訟」。アメリカの社会を語るときに使われる。マクドナルドでホットコーヒーを頼み、それを自分でこぼした客が火傷した。「コーヒーが熱すぎたから火傷したのだ」という訴訟。日本では考えられなかった。が、近頃はそうでもない。商品のラッピングがおかしいとか、店員さんが進めたからこちらの色にしたが、やっぱりあちらの色の方がよかったとか。狭い、しんどい、暑い、遅い。「客」は何かと訴える。「客」のようになった「親」も担任を変えろなどなど騒がしい。そんな中で言われるのが『感情労働』。これは、「自分の感情をひたすら押し殺して、相手に合わせた態度と言葉で対応する。きびしい自制心を求められる仕事のこと(天声人語より)」。ホワイトカラーやブルーカラーの違いのように、一つのカテゴリーとして成立するのだろうか。「立ちっぱなしの仕事で辛い」と言えば、「座りっぱなしもつらい」なんて言っていたが、立ったり座ったりしながらひたすら感情を抑える仕事は、、、もっと辛いだろうな。