訪れたのは平日の木曜日、午後2時半の少し前。それもこの日は朝から雨。それなのに、行列。狭いスペースに三列になって並ぶ、並ぶ。その半数以上(三分の二ぐらいかもしれない)は外国人だった。ラーメン屋の行列で大半が外国人という店。ここは、ミシュランの、ビルグルマンではなく星付き(一つ星)のラーメン屋だ。なるほど、だから外国人が多いのか、とも思ったが、ミシュラン神話は日本人にとって、だけだったのでは?と同時に不思議にも思い。考えていくと、恐らく、外国のツアーバスが新宿に停まり、数時間の自由時間だったのではないか、と。その時間に食べに来ているのではないか、と。

さてラーメン(そば)。醤油と塩を選んで、トッピングを追加していくスタイル。ミシュランが気に入りそうな麺屋であるということは、おそらく塩がいいのか?と予想し(とくにこの店は、一番人気こそ醤油そばらしいが、もっぱら塩そばの評判がいい)、鯛と蛤の塩そばに味玉をトッピングした。

出てきたのは。いわゆるところのチェーン店特有の「旨いラーメン」ではなく、丁寧な味でスープを頂くという印象の一杯。こだわりの麺にしっかり絡む塩スープは、本当にやさしい味だった。メンマも叉焼も、こだわりが感じられ、何より、味の変化のタネが豊富で、食感も楽しめるネギなど。スープをレンゲですすりながら、麺をたべ、またスープ。このスープが、いつも違う味になるというのが魅力だ。ホロホロの叉焼を食べると、またスープ(また味が違って感じられ)、メンマは個人的に大好きな柔らかい一品。麺が済み、最後までスープを飲み進めると、だんだん、だんだん味が増してくる。ガツンとラーメンを食う、というタイプの一杯ではなく、色んな味に敏感になって、しっかりと食べたい上品な一杯だ。

【ラーメン】
金色不如帰 @渋谷

2019年7月4日

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