極東サンバ
THE BOOM (1994年発売)


Human Rush
風になりたい
TOKYO LOVE
Far east samba
帰ろうかな
carnaval-カルナヴァル-
Poeta
モータープール
東京タワ-
It's Glorious
berangkat-ブランカ-
10月
それでも気車は走る
HAJA CORACAO

シェイク、このサンバで。国籍?そんなの関係なく
「バラよりも赤く燃え尽きるまで」

島唄の大ヒットから立て続けに発表されたTHE BOOM三部作のひとつ。5枚目となる前作「Faceless Man」では、それまでのBOOMらしさを感じさせる「帽子の行方」や、え?と驚くような「You're The Sunshine」、この後増えてくる曲調の「雪虫」などが所狭しとパッケージされていた。それから1年、南米を意識した、あくまでBOOM風のサンバな一枚。それが「極東サンバ」だ。

そもそも、ぼくがBOOMに出会ったのは中学の頃、友だちが90分のカセットテープに「A Peacetime Boom」「サイレンのおひさま」「JAPANESKA」の初期三枚のアルバムを録音してくれたことに始まる。「ウキウキルーキー」ってなんやねんとか、「おりこうさん」っていい歌!とか、「僕はぬけがらだけをおいてきたよ」は名曲だ、とか。文字通り、すり切れるほど聴いているうちに、なんとなく新しいアルバムが出る度に買っている。ので、ファン暦は長い。コンサートというのに始めて行ったのも、BOOMだった。

その後、ミニアルバム「D.E.M.O.」を発表後、しばらく休業。ちょうど高校受験真っ最中に出たのが「思春期」という4枚目のフルアルバムだった。「そばにいたい」「みちづれ」「きょうきのばらあど」と名曲が多い。その中で、やっぱり印象深いのが「ひのもとのうた」と「島唄」。前作「JAPANESKA」の中で「100万つぶの涙」というのがあって、「沖縄かぁ〜」なんて心に染みこんでいた。それが、確かに「島唄」で弾けた感はある。今でも、BOOMの中で一番好きなアルバムは「極東サンバ」と「思春期」を迷う。

「極東サンバ」は発売日にCD屋に行き、ものすごく縦長の限定パッケージで購入した。ブラジル音楽をそれまで意識したことはなかったが、BOOMがスカと言えばそれを聞き、沖縄音楽に走れば追走した。サンバにボサノバ。あくまですべてがBOOMオリジナル。和と洋を折衷したといえば、怒られるかも知れないが、それが一番しっくりくる。それから、ぼくは南米のリズムが大好きになる。


〜〜
ジャカルタの空も ピョンヤンの空も
ハバナの海にも 同じ陽がのぼる

ルンバがサンバがチャチャチャが 新しい朝を告げる
踊ったことのないリズム 東京に朝を告げる

『TOKYO LOVE』より


〜〜
Far far east samba
至上の愛を彼方へ届けておくれ
Far far east samba
天使を呼び覚ませ
Far far east samba
意識に潜む殺戮 消し去っておくれ
Far far east samba
悪魔も解き放て

『Far far east samba』より


〜〜
誰にも気にせずあなたに会える 鳥や雲のように
国境の上で キスして 抱きしめて
私に聴かせて 世界中の歌 carnavalの夜に

『carnaval-カルナヴァル-』より


〜〜
こぼした紅茶の中を泳ぎ
ぬけ落ちていく髪の毛眺め
逃げ惑うちょうちょたち追いかけ
まだ詩を書き続けてく

『Poeta』より


〜〜
君の手を引いて 月に背を向けて
たとえ夜が明けず 闇におぼれても

二度と引き返せずに 二人は迷い込んだ
出口のない Motor Pool

『モータープール』より


そして、一番好きな曲、『それでも気車は走る』。

「昨日の夢など 話したくない あなたにさえも
想い出はいつも 明日記した 詩に残される」

いつも自分とは関係なく時間は流れ、、自分を乗せた「気車」は走る。その中で生きている、、、と。


アルバムを締め括るのはポルトガル語の「アージャ・コラサォン」。歌詞カードの訳では「たまらない想い」となっている。同じ曲で日本語の詞がついた『東京タワー』では、

「少しずつ 君のことを好きだと知った
少しだけ 君の未来 僕にくれたら」

となっている。

このアルバムはパンチ力に欠ける曲が続くという人もいる。ぜんぜんサンバじゃないという声も聴いた。それらを否定しない上で、あえて、ぼくが大好きなアルバムの一枚にあげるのは、噛めば噛むほどというか、聴けば聴くほど、アジのある、言ってみればこれこそBOOMの真骨頂かな、と思うから。



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