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京都メカニズム

1997年、地球温暖化防止京都会議(COP3)で採択された「京都議定書」の中で、削減策として認められたひとつ。この京都メカニズムは非常にわかりにくい。
そもそも、京都議定書の中で先進国に義務づけられたのは何かというと、1990年を基準に、二酸化炭素やメタンガス、代替フロンなど温室効果があるとされるガスの排出量を、2008年から12年の間に年平均5.2%削減しようというもの。そのため、アメリカには7%、EUには8%、日本やカナダには6%の削減が割り当てられた。排出量最多のアメリカ、二位は中国、三位がロシアと続く。
(工場からモクモクと舞い上がる悪そ〜な、アレ。それをいつまでもモクモクさせている場合じゃない。夏は毎年暑く成る一方で、今やもう熱い。津波もその警鐘じゃないか?とも思わせる。)

と、ようやく合意に持ち込んだこの京都議定書を、排出量一位のアメリカが離脱・・・。もともと中国は入っていないので、この議定書の発効は不可能だと言われた。が、去年、2004年11月にロシアが批准し、2005年2月現在、批准国は140か国、先進国全体の排出量の55%をしめるようになった。どうにかこうにか、この京都議定書が2005年2月16日発効される。

6%の削減を割り振られた日本は、90年の基準から8%も、逆に増えているという排出量を、あと3年〜7年に6%(現状からは14%)も減らさなくてはならず、東京や京都など、取り組みが具体化してきている。ほとんどが企業に対しての義務であり、個人レベルまでは実感がない。(例えば、どのぐらいヒーターを控えれば、どのぐらいの削減になるの?っていったところで、ほんと実感がない。)
この削減目標。14%にも及ぶ量をどうやって減らすんだ、無理じゃないか、アメリカの言う通りだ、などと考えている国々に、提案されたのが「京都メカニズム」。

これは、市場原理を用いた削減目標の達成手法である、とかなんとか。
簡単にいうと、他の国の排出権を購入したり、削減費用が安価な国で投資を行って、その排出削減量を自分の国の削減実績に組み込めるという仕組みです。日本では削減するための費用、それに伴うマイナスが多い場合、他の国にその削減分を持ってもらうということ。同じか。つまり分かりにくく、実感がそれこそわかない。が、現実的に、この京都メカニズムを使って数値を合わすことしか残されていないような悲しい現実もあったりして。

具体的に、
クリーン開発メカニズム(CleanDevelopment Mechanism, CDM)、
共同実施(Joint Implementation, JI)、
排出権取引(Emissions Trading)の3つが挙げられるようです。

CDM:先進国が、途上国(今回、削減数値目標が設定されていない国)などで排出削減や二酸化炭素などの吸収増大などのプロジェクトを実施して、それに応じて得られた削減量または吸収増大量を自国の数値にできる。
JI:数値目標のある先進国同志が協同で削減・吸収増大のプロジェクトを実施して、その成果を分け合う。
排出権取引:数値目標が設定されている先進国間で、直接的な排出枠の取得・移転(取引)を認めるもの。

つまり、これらのメカニズムは、あくまでも地球全体を考えて「減らす」ことであって、割り振られた数値目標はそれぞれがおった責任範囲。Aが6%のところ7%削減したら、その1%を買っちゃおうという仕組みになる。2課の利益が多く、3課が少なくても、会社全体として目標が達成できればいいというのが根本。だが・・・、このシステムを使いすぎて、ほとんどの数値を金で買う、などという事態は他国からの批判を浴びるだろう懸念のもと、日本は、やっぱり自国で出来る限り削減することがいいんです。

それにしても、アメリカは「京都議定書」以外の道で環境問題を考えるという。中国こそダメだろうという状況なのに、世界の工場はこれからも何のしばりもなく温室効果ガスを放出する。この2か国、どうも自分たちの国が言い出しっぺのリーダーじゃないと、協力する気がおこらないんでしょうね。