MISEDUCATION
Lauryn Hill (1998年発売)

Intro
Lost Ones
Ex-Factor
To Zion
Doo Wop (That Thing)
Suoerstar
Final Hour
When It Hurts So Bad
I Used To Love Him
Forgive Them Father
Every Getto, Every City
Nothing Even Matters
Everything Is Everything
The Miseducation of Lauryn Hill

"It's funny how money change a situation"
この言葉からはじまるアルバムに、僕はギョッとする。ふるっ!とさえ、思った。が、進んでいくうちにどっぷりはまる懐の深さを、このアルバム1枚に込めた大きさを、感じるのは一瞬だった。
You might win some but you just lost one.
今、この時点では、「負けた」んだと認める「スタート」。
始まり方として、個人的にぼくは、とても素敵だと思う。

はっきり唄う。ローリン・ヒルの歌を聴く度に、ぼくはいつもそう思う。伝えること、に使命感のようなものを持っているのではないか、と。それが……、重いという人も多いと思う。が、ぼくが好きな一枚に挙げるのは、そんな重さを、いったん第三者の何かに置き換えて、あたかも客観的に眺めて「ほらね」と諭すような、よそよそしさを彼女の歌から感じないところだ。

フージーズというバンドで成功を収めた彼女が、身ごもってしまったとき
"Everybody told me to be smart. Look at your career they said
 Lauryn, baby, use your head"

アタマヲツカエ。よく考えて、「今、その時期かを見極めろ」と。
彼、お腹の中にザイオンは、その命は、チャンスを得るべきなのに。

"But instead I Chose to use my Heart."

気持ちに従うスタイル。それは彼女の中で、恋をしたって、ゲットー出身だって、有名大学の門をくぐったって、変わることのない絶対であるかのよう。

このアルバムを発表後、彼女は数年間の沈黙に入る。そして、突如として、ジーンズ姿で、ギターだけを抱えブラウン管の中に登場する。アンプラグドという番組の中で、全曲新曲という、彼女の「その後」を披露。そのDVDを見ながら、ぼくはなおも思った。優しい曲も、ラップも、ラブも、ラフも、本当に丁寧に唄う人だと。口の中でキャンディを転がしながら、丁寧にしっかりと、伝える。

「こんなに痛むのに、気持ちがこんなにいいのはなぜ?」
「今は違うけど、私はあの人を愛していた」
ある時は、恋に悩み傷付く女性の気持ちを……

「Gettoやストリート。あの、スラム街での事が私のなかに蘇ってきて、得たモノ、学んだモノを忘れないで」と、ある時は、経験談を…。

そして、全てを達観したかのように、
「Everything is Everything. What is meant to be, will be. After Winter, must come Spring. CHANGE, it comes eventually.」
そんなコトバを、彼女は、
"I wrote these words for everyone who struggles in their youth"。

ある時は、アネゴ的な立場から、苦しんでいる若者へ、メッセージを投げかける。

ミスエデュケーション。
彼女は、締め付けられ、身動きがとれなくなるほど、悩み、外側の世界を意識し、そんな自分に何かの「答え」を探して……、
"But deep in my heart the answer it was in me. And I made up my mind to find my own destiny"

最後まで、彼女のスタイルを突き通して、アルバムは終わる。



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