根津美術館 
Minami-Aoyama Tokyo, JAPAN

都会の中の緑。その緑に溶け込む和の曲線。

昭和16年に開館した根津美術館が2009年の10月に3年半の休館を経て生まれ変わった。隈研吾による設計。所蔵は日本美術(書・絵画・陶器・茶の湯)から広くアジア全般を網羅。仏像も素晴らしいコレクションだ。初代根津嘉一郎の遺志を受け継いでいる。

なにより、空間だ。

そこにある空気感から目に飛び込むすべての優しい曲線に目を奪われる。外の世界をシャットアウトする竹と玉砂利のアプローチからはじまり、シックでモダン、だけどしっかりと「和」な館内。フロアからの前面窓から外の庭園が緑まぶしい。ゆったりとしたギャラリー。作りすぎない展示の仕方。至る所に散りばめられたソファ。

ゆったりする、時間。それを提供する空間が、ある。

外の日本庭園内には、茶室が四つあり、その他にも「根津美術館八景」なるビューポイントがある。庭園内のカフェは、白を基調としたモダンな雰囲気で、緑の中で贅沢な時間を提供してくれる。

鬱蒼とした緑。庭園内はそんな表現があう。夏の時期は蚊に注意だ。スズメバチにご注意ください、という看板もあった。芝生と流れるような道。石畳。小川が流れる音。晴天の日もひんやりする心地よさがある。東京タワーや六本木ヒルズが遠くには見えた。

庭園を一周して本館にもどると、ひんやりとして、また、なんだか「いいな」というため息がでる。

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