FACTORY TOUR/NOUSAKU LAB
能作 鋳物製作体験

@NOUSAKU LAB(富山県)
2021年04月25日(日)

伝統工芸である鋳物の製作体験ができるのは、富山県にある「能作」のファクトリー。おしゃれな空間にはショップやカフェがあり、その奥に体験工房がある。場所的に行きづらいが、そこをがんばって行くだけの価値はある。

材料の錫が、シンプルなフォルムに収まると、なんともシュッとした見栄え。それがこの能作の魅力でもあり、それを自分で造ることができるのは楽しい。体験コースは30分でできるペーパーウェイトと、90分で造るぐい飲みや小皿などなど。料金は一人4000円。

型をはめて、そこに錫を流し込んで造るという、奈良の大仏もそうやって造った?ような気がするほど、昔からの方法で造っていく。まず、木枠に型を入れ、錫を流し込む導線を作りつつ粘土質の砂を入れていく。注意深く、かつ大胆に。グループ毎にアテンドしてくれる方がいるので、失敗することはほぼ無いような気もする。実に、体験の型が出来上がっているという印象。京都などである伝統工芸体験にありがちな、ほぼ、作られて、自分ではちょっとだけ「手を加える」というものよりも、がっつり自分で造るということが体験できる。

砂を入れ、固めて、土台をつくったらひっくり返す。特別な機械はほぼ使わないことから「材料」さえ揃えることができたら、家庭のキッチンでも作れる。けど、錫はなかなか手に入らないけど。

能作の特徴は、錫100%であること。その質感がたまらなくいい。砂を固めて、型を抜き取る。この時のどきどき感がいい。もし、万が一、型を取り出すときに砂が崩れたら、もう、できないのだ。さらに、この土台をきれいに作らないとできあがりに差が出る。

型を抜いたら、いよいよ溶かした錫を流し込む。溶かした錫が光り輝いて綺麗だ。ぐい飲みなどの薄いものはかたまるのも早いが、ペーパーウェイトは時間がかかる。それを待っている時間も実にいい。だんだんとできあがってゆく時間が、とても心地よかった。

出来上がったら、やすりにかける。ぐい飲みの場合は、口にあたるので、その飲み口のところを入念にすべすべにする。持ったときの重量感も、いい。

最後、裏に刻印。それで完成。ゼロから90分で出来上がりまでいけるので、満足感も高い。ぐい飲みをつくったら今度は、小皿。その後は小鉢で、最後に箸置き、といった感じで、お店で能作を買わず、体験で作って集めるということもできそうだ。








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