Mr.Children (2000年発売)

Center Of Universe
その向こうへ行こう
Not Found
スロースターター
Surrender
つよがり
十二月のセントラルパークブルース
友とコーヒーと嘘と胃袋
ロードムービー
Everything Is Made From A Dream
口笛
Hallelujah
安らげる場所

高校二年。「抱きしめたい」を初めて聞いた時、寒気がした。のは、「ええなぁ」と思うのと同時にじわ〜っと湧いてきた酸っぱい感じ。Mr.Childrenがまだ、ミスチルと呼ばれる前のこと。92年にデビューして以来、90年代をトップで走り抜けた超人気バンド。圧巻は、94年から怒濤のように続いたシングル・リリースダッシュ。アルバムも同時並行的に出されていたことを考えると、CDが阿保ほど売れるバブル期と重なって、もうそれはそれはコムロか?というほど。その絶頂期、正直あまり好きではなかった。初めて海外でホームステイをしたとき、何と為しに聞いていた「Tomorrow Never Knows」の、これまた何気ない歌詞にぐっと来た。ええなぁ、と。

少しぐらいはみ出したっていいさ 夢を描こう。

大学を卒業したのが99年。それからも次々とミスチルはヒット曲を連発。あれ?これ新曲?と疑うほど、ぼくの耳には似た曲が続いたりして、「しんどそうやな」なんて偉そうに思っていた。と、急に活動休止。

爽やかなイメージから、ニッポンのサラリーマン賛歌、果ては恋のシーソーゲームまで。出し惜しみを知らない連発に、確かに天才を感じる。「マシンガン」をぶっ飛ばした第一黄金期。ミスチルの10年は凄かった。歌詞がいい、リズムがいい、音がいい、「感」がいい。色々いい。

ひっさしぶりに活動を再開して放ったアルバム「Discovery」の一曲、「Simple」は、ほんと、「悲しみをつれ、遠回りもしたけど、探してたもんはこんなシンプルなものだったんだ」の通り、軽やかなリズムが戻ってきたりして。懲り過ぎてた曲が一気に厚みを増した。この辺りから、ミスチルっていいかも、、、と。

っで、その「Discovery」から二年近くたってリリースされたのがこのアルバム。まず、タイトルがいいな、と思った。で、ジャケットがカッコいいな、と。これまでのミスチルは、シングル曲が良かった。それがアルバムの要所を締めて、不随するように他の曲も良く聞けた。が、このアルバムの先行シングルは「NOT FOUND」と「口笛」。僕の中では、二曲ともアウトだった。デビュー当時に回帰したような爽やかな「口笛」も、正しく果実を握りつぶしたような苦悩に満ちた「NOT FOUND」も、なんか違った。それでもアルバムを買い、聞く。朝、起きて聞く。帰ってきてから洋服を着替えながら聞く。そのうちに、「スロースターター」が「今、発車」するあたりから、急にさよならを告げられて「コーヒーぐらいで火傷」し動揺している男「Surrender」と、古傷を隠すように凛としている「つよがり」を見せる女のつながりは素晴らしく、「十二月のセントラルパークブルース」と「友とコーヒーと嘘と胃袋」の連発に完全やられた。完璧に好きなアルバム。そういえる。


“宗教かぶれが僕にこう問う 「Hey あなたは幸せですか?」
はいはい、「幸せですとも」と嘯きながら 十二月のセントラルパークブルース”

セントラルパークの西側にある「ダコタ・アパートメント」。ジョン・レノンを連想しつつ、僕が実際にみた、あの警備員が立つ高級アパートメントがふっと思い浮かぶ。その辺りで、雪で、コートの襟を立てて、人恋しく、海外にいる、、、そんなブルース。


結婚はしたけれどあまり幸せではないらしい「友」
あの娘の吸う煙草の口の中の残り香と相性のいい苦い「コーヒー」
信じる事のできそうな位のかわいい「嘘」
キリスト教に何の信仰もない「僕」にとって、世紀末は遠い過去の話。
“悲しみも 憎しみも 愛しさも 優しさも いやらしさも

食べるよ 食べるよ 食べるよ

だから「胃袋」よ ああ僕の胃袋よ
もっと強靱たれ もっと貪欲たれ
なんだって飲み込んで なんだって消化して
全部 エネルギーに変えてしまおう”

この「友とコーヒーと嘘と胃袋」は、名曲だ。
強靱な胃袋。食べるヤツが結局強い。人生観とも言える。

“僕はなぜ繰り返す別れを受け入れてきたんだろう?
その謎が君と出会い ちょっと解けた”

アルバムは、そんな今までを振り返りながら、今を
いちばん「安らげる場所」で寝ころぶようにして終わる。



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