ショッピング
井上陽水奥田民生 (1997年発売)

佗び助
2 CARS
相当な決意
ショッピング
意外な言葉
カラフル
2500
AとB
ひとしずく
手引きのようなもの
ありがとう
アジアの純真

「伸び」というか「間」というか。それが絶妙にいい。
海には、丸裸の歴史があって、山には軽はずみな心があるのだ(「侘び助」より)という意味不明なこの言葉も、やっぱり二人の声がぎゅ〜っと伸びると、すごくいい。

井上陽水と奥田民生があまり好かない人は、「ダラダラ」とか「ねっとり」とか、そういうふうにも言うのだろうが、僕はそうは思わない。

意外な言葉が 
繰り返されたら 
別れの合図 そうなんだよ きっと サヨナラなんだ
(「意外な言葉」より)
なんて歌詞を、奥田民生の声以外で聴くと違うような気もする。

その典型なのが「月ひとしずく」という二人の共作1作目で、小泉今日子が歌っていたが、やっぱり少し違った。「人にまかせて僕らは行こう 人にまかせた人生だから 何を言う 何も言うな 今夜の月もきれいだね」。この詩は、完璧に奥田民生、この人の声で聞くべきではないかと。

かと思えば、「相当な決意」や「ショッピング」のように弾くような曲もある。
そして、それらが特にいい、という意見もよく聞く。

あくまで僕は 運命の限り とにかく乱れもせず 
瞳もさわやかに 窓を眺めて 
夜空の星達を 眺めついでに 隣の窓まで のぞき込んだり
(「相当な決意」より)


宝物 なにからなにまで 心をひかれて 買えないものだらけ
そっと一人言 サイフの中身は どうしてこんなに さみしく感じるの
悩んじゃう 困っちゃう
使っちゃおー 笑っちゃおー
(「ショッピング」より)

噛めば噛むほどに甘くなる、味がでる、といった感じのふたりの歌は、とにかく言葉だ。言葉が心地よい。意味はあまりないだろうが、響きがいいというか。全体的に掴んで、それから、「あ、こういうこと?」みたいな聞き手に意味の判断を任せてくれる。そういうとこも好きだ。

今年に入って10年ぶりにセカンドアルバム「ダブル・ドライブ」を出したが、やっぱり僕はこのアルバムの方が好きかな。「アジアの純真」は、度肝のを抜く作品で、二人で新しい「カテゴリー」を創ったなぁと関心する。それは、井上陽水という人と、奥田民生という人が、ごく自然体に、それぞれの「味」をブレンドさせてつくった新カテゴリーであって、無理がないというのが見事。

12曲の楽曲を、例えばシャッフルで聴いたとしてもしっかりと成り立つアルバムで、逆を言えば曲順にあまり意図は感じない。いや、違うな。それぞれの曲が、それとして存在感がある。だから僕は、大好きな下記の2曲を、飽きもせず、繰り返し聞いている。

あざやかな 口
先のとがった 眉
悲しそうな 瞳
僕とケンカをしている時の
君の顔の部分 カラフル
(「カラフル」より)


道なりに 道なりに その道を造った人なりの
逆らってはいけない 合わさってもならない
体を左右に 軽く揺らすとよい
(「手引きのようなもの」より)


あ、シャッフルされて最後の12曲目が始まった。
ありがとう、と連呼している。
「強い人 弱い人
男の人 女の人
目立つ人 地味な人
みんな みんな ありがとう」

もう一順、聞いてみようと思う。


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