救世主キリスト大聖堂 

Moscow / RUSSIA

モスクワの中心・クレムリンから歩いてプーシキン美術館に向かう。ひどく暑い夏だった。一際キラキラと輝く黄金のドーム。何?あれ、隣を通り過ぎようとしていたおばさんに聞いたが、英語の僕は、、、無視された。駅でもらった市街マップを広げるが、ロシア語で読めず「まぁ、なんでもいいや、キレイだし」ってことで一枚。日本に帰ってから、この建物が、クレムリン大宮殿や武器庫を設計した人物によって建てられ、1833年完成時はモスクワ一の高さを誇り、1万人もの収容力をもったロシア最大の大聖堂であった過去を持つことを知る。スターリンの時代、宗教弾圧の対象になり破戒。その後60年強、忘れ去られた産物となる。ソビエト連邦が崩壊し、宗教復権の声が高まると、1994年から寄付金によって再建が始まり1997年、完成。一際ピカピカと輝く金色は真っ白な壁面からの光も反射して集められ、漏れ零すことなく太陽の光を反射していたからなのか、取り戻したぞ!という強い気持ちがあふれ出しているのか。何も知らない、一旅人の僕が、強烈に引っ張られた真っ新な建物には、壮絶な歴史があった。

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