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「旅行先で5ミリ以上の雨が降った場合、総額200ユーロを上限に一日あたり20ユーロの補償金が支払われる」(朝日新聞参照)。そんな「サンシャイン保険」付き航空券をルフトハンザ航空が発売した(2009年8月)。

確かに晴れているか否かは、旅先での楽しさに大きな差がでる。ツアーで行く場合などは、同行する添乗員が「ここからの眺めは天気の良い日よりも、雨が少し降っている方が良いと言われているのでみなさんはラッキーです」なんてフォローしてクレームを抑えると聞いたことがある。雨は仕方がない。自然現象をどこかの国のように人工的に雲を蹴散らせるわけにも行かないから。

なんというか、このサンシャイン保険という言葉が、絶妙に今っぽいなと感じさせる。

日食やオーロラなど、超自然現象に心が躍るのは「見られるか見られないか」の一か八かで、見られないと「金返せ」なんて気分になるが、逆に見られた時は「その分」まで興奮する。それが、本当に「金が返ってくる」となると……。そもそも「保険」をかけるというのは、「損」に対応するためで、「雨」が損となると旅はできないとも思うわけで。

想像したとおり、ツアーならパンフレットに書かれた通り。そんな「旅」は、実際問題ないんだけどな、なんて。その分、想像すらしないこと(それが仮にトラブルでも)にこそ醍醐味があるのに。

ホケンヲカケル。この意味のはき違えが、実に今の時代を象徴していたりして。