2019 Arthur Ashe Kids' Day
USオープンテニス キッズデー

@ニューヨーク
2019年8月24日

全英、全仏、全豪と並んで行われるテニスのグランドスラム、全米のUSオープンは、ニューヨークはマンハッタンのお隣クイーンズ地区で行われる。毎年、予選の週と決勝の週に挟まれた土曜日はキッズデーとして無料で練習コートなどが解放され、チケットが必要なのはメイン会場のアーサーアッシュで行われる一大イベントがある。
この、チケットを持っていなくても(かなり早いうちに予約しないと取れない)、十分楽しめるのが、なんともアメリカ的というか、イベント構成が実にうまいところというか、とにかく楽し気な雰囲気を作らせたらピカイチだな、というか。とにかく、とても楽しいイベントだ。
さて、ニューヨークの8日間の旅の間で、この週末を選んで行ったわが家は、ホテルのあったブルックリンから地下鉄でクイーンズへ。グランドセントラルで乗り換え、地下鉄が地上に出ると、一気に雰囲気のいい、住宅街という雰囲気が車窓から見える。土曜日の、まだ朝はやくの、一コマが心地よかった。キッズデーの開門に合わせて早起きしたわが家は、晴天にも恵まれ、最寄り駅のMets-Willets Poinで降りると、ふわ〜っと背伸びしたくなるような気候。日差しはあるが、風が心地いい。駅からはMLBのニューヨーク・メッツの本拠地、シティ・フィールドが見える。改札に行くと、右側矢印で「BASEBALL」、左側矢印で「TENNIS」と書かれている。この日も、野球の試合があるので、この標識、有意義だろう。
大きな橋を渡って会場へ向かう間も、ビッグラケットを持った写真スポットや、荷物預け所、各スタッフのスマイル。なんともうきうきする雰囲気にのまれる。に、しても、セキュリティーチェックが厳しい。これぐらいやってくれた方が安心だが、なんだろう、ドキドキしてしまうのは性か。
コロナパークから入った場合は、シンボルの地球のオブジェが見えるが、わが家はEAST GATEから入場。開門間もなくなので、まだ人は少ない。スタッフも、まだ準備中の様相。それでも、音楽がなり、そのリズムにスタッフが体を揺らせる。真正面に、メインアリーナの「Arthur AsheStadium」が見える。ここは、午後1時からスタジアムショーのライブが行われる。その手前には大きなグッズショップ、そしてウィルソンのショップがある。ここでは、大きなテニスボールが売られ、選手がサイン会をしてくれる。手前のLouis Armstrong Stadiumも素晴らしい。おそらくは第二コートという立ち位置だろうが、本格的にテニスの試合を見たことのない私は、興奮状態。きれいだし、練習をしている女子の黒人選手と、おそらくはコーチだろう男性との打ち合いにテンションがあがる。一番前の席まで行き、「こんなところで試合は見れないもんな〜」と特別感を味わう。
さて、各コートでは、選手が練習しており、そのプラクティススケジュールが発表されているが、なにせ、名前がわからない・・・。普段から熱心にテニスを見る一家ではないので、とにかくぶらぶらと、キッズイベントならではのフェイスペインティングブースや、ホリディ・インやエミレーツ航空のブースをみたり、キッズがテニスを体験するイベントに参加したりしながら。
WEST GATE近くのPractice Courtsでは、テレビカメラも入って、子供たちと背のばか高い選手がボールを打ち合い、風船が舞い、なんともキッズイベントのリズム。Grandstandでは、上半身裸の選手とコーチが打ち合い、何かを確かめ合い、来る本番までの調整に余念がない。それぞれのコートの間にある広場(プラザ)では、フードコートやイベントブースが並び、スポンサーのメルセデスは何台か車を並べていた。東京では、こういう時、だいたいトヨタかBMWなので、ベンツに乗車できるなんて、と。
それにしても、ぼんやり見てても飽きないし、ブランドレベルの視界でトップ選手のプレー(練習)が見られるのも貴重な体験。と、わが家がなんとなくアーサーアッシュ横のステージ行われているライブを聞きに行き、大坂なおみの大きな写真の横で息子の写真でも撮ろうとしていると、ざわざわと人だかりが。何、何、なに?と思って近寄ると、練習を終えた錦織圭がカートに乗って移動しようとしていた。私は、松岡修造さんばりの声で、「ケイ、ファイト!」と。目が、合った、です、確実に笑。(これを記している今、残念ながら錦織選手は3回戦で敗れましたが)。
天気もよく、時間が正午を過ぎるころにはすごい人が詰めかけ、あらゆるところに行列ができるようになり、息子がプラクティススケジュールから日の丸を見つけて、あれ、日本人が練習してるよ、というので、見てみると西岡選手。おっと、これは!ということでプラクティスコートに移動したが、練習はすでにおわっていたのか、見当たらず、ロブスターロールを買って抱えたままだったので、ベンチに座って食べていると、大きなテニスボールにサインをいっぱい書いてもらった少女が、満面の笑みで私に自慢してきたり(クール、としか言えなかったが)。
これは、現地に住んでいたら、もしくはテニスを習っているような人なら、いや、テニスを熱中して見ている人なら、一日中、ずっといて、また来年も来ようと思うだろう、フジロック的なイベントに違いないな、と思いつつ、後にした。
今回のニューヨークの旅の中でも、かなり印象的で、楽しいイベントだった。錦織選手の準優勝、そして去年の大坂なおみ選手の優勝。日本人にもかなり演技のいい大会だけに、そう思ったのかもしれないが。





















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