2008年9月20日(土)
2日目

タシケント→ブハラ



結局、何時に起きたのか?日本から持ってきた赤い目覚まし時計と、CNN TVの時刻が一時間違い。確か時差4時間なので、携帯電話を見ると今は午前7時過ぎになる。でも、どうも怪しい。もしかしたら、サマータイムが導入されたか?

なにしろ古いガイドブックしかない。そんなこともよく知らないままウズベキスタンに来たのだ。ま、時間なんていいや。とにかく肌寒いけど清々しい朝だ!ベランダに出てみると、テレビ塔が見える。そして、緑が多〜い。天気は、すごくよさそうだ。

今日、ブハラへ移動するためパッキングをすます。顔を洗い、昨日空港で、この国の寒さを思い知ったので、半袖だけの僕は、寝間着のTシャツを重ね着する。

朝食へ。…と、14階なのにリフト(エレベーター)が故障?らしい。いくらおそいといっても、轟音をたてながら動いているという振動もない。しかたなく階段で下りる。

朝食はバイキングで、とにかくパンの種類が豊富。卵がなかったので(ボイルドエッグはあったが)少し残念だが、ハンバーグのようなものと、ソーセージ、パン3種類、最後にコーヒーをいただく。この段階になって、ようやく時間が明らかになった。現在、9:15amだ。

朝食会場には、ロシア系なのか?欧米人ばかりで日本人はいなかった。少し外に出て、バカでかいホテルの外観を眺める。確かに少し寒いが、なんとも気持ちのいい朝。部屋に一度戻ろうしたら、リフトが故障しているので、あちらへ!と言われたところはスタッフ用のモノ。まぁ、これだけよく荷物があるものだとあきれるほどの量のカバンに囲まれて、ポーター用のリフトで部屋に戻る。

10:00am頃、新市街のティムール広場に面して建つウズベキスタンホテルを出て、まずはそのティムール広場へ。緑が多い。が、枯葉も目立つ。そんな季節なのだろうか。石の町・タシケントがモンゴル軍に破壊され、ティムール帝国になってから建国されたというタシケント。ティムールは英雄なのだ。大きな像が中央にたっていた。それをぐるりと回るようにベンチがあり、若いカップルが抱き合っていた。朝っぱらから……!と驚いたが、そうか、土曜だからか、とも思う。

女性はみんなお洒落だ。男性の若者もスーツをきっかり着ている(ネクタイのないクールビズだが)。そして男女とも香水がきつい。これはタシケントだからか?2000年の歴史を持つオアシス都市、きっと中央アジアでは大都会ということになるのだろう。車も路面電車もバスも、道路を渡るのに困難なほどの交通量。地下鉄も、あるのだ。

ティムール広場から南へ。オフンババエフ通りを歩く。レストランがあったり、大学があったり。大通りを1本はいると赤いパラソルを広げたアイス屋?も目立つ。また北上してティムール広場へ戻る。やっぱり歩くと暑くなる。広場近くのポイタフトというホテルにある両替所へ。聞くと、プライベートなら換えられる?というややこしいことを言う若者が不審だったが、パスポートをホテルにストレージされている以上、銀行に行くのも不安だ。レートを聞くと1$=1335スム。1スム=12円ぐらいか。もともとそんなものだろうと思っていたので60$を換える。

なんと8万スム。

1000スム札が80枚だ。多〜い!金持ちだー!とか。

これ見よがしに?でもないのだが、ソファに座って札を数えながら「これでいいの?」と聞くと、その男性は、また計算機を持ってきて「1$が1335・・・」とゆっくり言いながら計算機を弾き始まる。で、80100スム。だから80000スムね。まぁいいけど、100スムは?。

ついでにその男性にタクシーでエアポートまでいくらぐらいか聞くと3000スムだという。昨日の15$はやはり破格。でも、その彼の言うには空港まで15qほどあると言っていたからなぁ。う〜ん、どうも6qというのがガイドブックの情報なのでちょっと違うが。

11時過ぎ、またホテルに戻る。ロシアだなぁと思うのは、リフトが壊れていてあちらへ、という若いポーターが小声で「マッサージは?」ときいてくる。チップこそが彼らの収入に大きいのだろう。

ようやくスムも入った。が、この先足りるか心配だが、とにかく楽しもう。タシケントいう街の、それも新市街の、おそらくはエリート?たちしか見ていないが、何というか、しっかりとフォーマルだ。カチっとしているという印象を受けた。

12時にチェックアウトへ。66,800スム。Visaカードで50US$をきった。荷物を預かって貰おうとしたが、有料だと言われたのでバッグを背負ってティムール広場へ向かう。日が高くなり、ティムール像も綺麗に見えた。そこでキャップがうまくしまらない水を飲む。ホテルでガス抜き、800スム。1000スム出すとおつりが100スム札しかないと言われた。

広場に座っているとSさんが来た。昨日、空港で別れてからTさんと同じ宿に行き、彼らもすぐに別れたらしく、朝レセプションで再会したとか。Sさんは、午前中にサマルカンド行きの列車のチケットを8000スムで購入したとか。2人で時計台の横にあるカフェへ。匂いが旨そう!だが昼どきで混んでいたことと、オールロシア語なことで二の足を踏み、さっき一人でブラブラしていたときに見つけた「みどり」なる韓国・日本料理屋へ。

席につき、メニューを開く。げっ!10000スムぐらいする、どれも。ランチに1000円なんて東京でも高い。ここはひとまず退散。テーブルセットしていた店員もびっくりしていた。

どうしようか。とにかく西へ進み、スーパーなどがあるところへ。歩きながら、ラオスで飛行機に雲が入ってきて真っ白になったとか、クレジットカードは「こういう国」では手数料をすごくとられたことがあるとか、そして、動物性のワクチンや細菌を専門にしているSだけあって、僕の指の表皮がない状態をとにかく危険だから何かをまいておかないといけない(この時、僕の指はえらいことになっていた)など、いろいろ教えてもらう。聞けば聞くほどあちこち行っているSさん。安宿に泊まるときは新聞紙を敷いてその上に寝るとダニに噛まれにくいとか……。

さすがはタシケント?ショッピングモールのようなところがある。その中のmir burger(ミール・バーガー)へ。チキンバーガー、ポテト、コークで5100スム。日本とほぼ同じだ。これはきっとかなり高い!バーガーは旨かった。なにせパンがうまいのだ。チキンバーガーも独特の焼き加減とジューシーさで。満足。

ランチを食べ、またウズベキスタンホテルまでもどり、そこからタクシーで空港へ。8000スムというわけのわからないことをいうタクシーの運ちゃんを無視して、4000スムというドライバーと交渉。3500で手を打った。きれいな車だった。タシケントの街は淡い色の建物が多い。淡いグリーンに淡いイエロー。

結局、4000出すと、おつりを出そうとするドライバーに、「いいよ」と言って下車した。気持ちのいいドライバーだったから。そういうことをするんです、ぼく。

国内線のターミナルまで少し歩いてチェックイン。14:30頃で、やはり早かったようだが、Sさんも言う通り、早め早めの行動がいい。僕もずっとそういう旅なのだ。

ウズベキスタン航空1335便、タシケント発ブハラ行き。フライトタイムは16:15。シートは21D。窓側と言うのを忘れていた。とりあえず空港のベンチに座って日記を書き、ブハラを調べよう。ホテルと、そこまでの移動だ、とりあえずは。日記も書いて、ガイドブックにも嫌気がさしたら、持って行った落語の本を読んだ。

ブハラまでの飛行は1時間と少し。3列シートには僕ひとりで広々だ。最初にドリンクが配られた。ウズベキスタン航空ばかりの国内線ターミナル。非常に狭いのはしかたないだろう。飛び立とうとするとタシケントの街がなんというかとても低く成り立っているのがわかる。タシケントを越えると、そこはやせているというより荒れている?険しいゴツゴツの岩山が連なり、畑なのか?と思えるところもあったが、自然のままに存在している様子がうかがえる。

オアシス都市。何もないところに突如現れる「人の形跡」というイメージ通り、色のない?土色の都市がブハラだった。ずっと低高度を飛び続けたので気流も安定しなかった。

さてブハラについた。ターミナルは通らず、横のゲートが出る。タクシーのドライバーが声をかけてくるので、ガイドブックで目をつけていた「シヤウシュ(Siyavush)」というホテルを知っているかというと5000スムでいくという。タシケント空港より近いはずだ。ふざけるな、という感じで路線タクシー(乗り合い)を探しにターミナルの方に行く。が…ここで英語はかなり通じない。若者2人が話しかけてくる。かなり陽気なやつらだった。タクシーはあっちだと示され、そこで声を掛けられたドライバー、初めは同じく5000といっていたが、4000で手をうった。とにかく、ホテルも決まってないのだ。

ブハラ。思っていたよりも街か?とも思う。大きなフットボールスタジアムの隣、ポツンと建つ淡い黄色い建物のホテル、シヤウシュ。中に入ると白くて、明るくて、非常にいい。部屋はあいており、見せて貰うとけっこう広くてきれいだ。お湯も出るといわれ、しばらく出していたが出ない。ま、それはなんとかなるか、とにかくきれいなので、暗くなるまでにホテルを決めたい僕はここに決めるため値段を聞く。

30$。1泊10$とガイドブックにあったので予算が厳しいが、、、案内してくれた男性のスタッフの感じがよかったので2泊分とった。

パスポートを預かるというので、はやくかえして欲しいといったが、お金を払ってから、と。Registrarionもかかないといけないので。しばらくしてフロントにいったが、まだゲストカードを書いてないと。こういう国の人たちの、「soon」という時間感覚が、実は僕も好きで、でもとにかくパスポートを手元に持っておきたい僕の焦りは、所詮「日本人」的soonなのだ、と「まだだよ」といわれて部屋に戻る階段をのぼりながら笑いそうになった。

吹き抜けのロビーが部屋の前から見える。とにかくフロントスタッフの「彼」はバタバタと忙しそうだ。

まぁいい。ちょっと外へ出る。旧市街は白い石?壁?そんな小路が入り組む。子供が多いという印象だ。しばらく歩いたが暗くなり始めたので、これは迷子になると思い戻る。小さな店で水1.5g1000スムとチョコ250スムを買う。

ホテルに戻り、AZLAという瓶ビール2000スム、ドライスナック?ベーコンフレイバー1000スムで買い、ロビーで飲むのもいやなので、部屋で飲んだ。

禁煙のため外に出てタバコを吸い、ついでにスタッフの男性にお湯が出ないと伝える。「本当?じゃパワーをあげておくよ」といった。ま、もどって「出し続けても」水だった。顔を洗い、体を拭いてシャワーは諦めた。

CNNではパキスタンのイスラマバードのマリオットホテルで起きた自爆テロのニュースを伝えていた。

日記を書こう……とベッドに横になったら、知らないうちに眠っていた。


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