Maasai Mara National Reserve in Kenya

象の親子

それは単純に大きいというだけで圧倒されるのではなく、とても静かで、やさしい雰囲気にデカさを感じるのかもしれない。「象」。この動物に出会ったのは、マサイマラの中を2日間走り回り、随分「大自然」というものに慣れてからだった。「あっ、またライオンや」、という程度に。ただ、この象の群れを目にしたとき、僕は「デカさ」に感動した。ゆったりと歩き、大きく包み込む。わるさをしたら許さないわよ、と微笑みかけてくれるようでもある。同乗していたアメリカ人老夫婦とドライバーと僕、四人とも、何も言わず、カメラなど構えることも忘れ眺めていた。こちら(僕らの乗っていたワゴン)に向かって歩いてくる。親象たちは鼻を器用につかって草をはむ。草のひきちぎられる音が、静かな大地に響く。隣で子象もがんばる。が、なかなかうまく鼻が使えない。ツルン、ツルン、っと草がすべり、引きちぎることが難しい。隣で食事中の母象に、子象が訴える。太い足に子象の鼻がトントンと。子象は「食べれないよ」と母象を見上げる。すると、母象はお手本のようにブチブチンと草を引きちぎり、自分でたべた。「こうするのよ」とでもいうように。それを見て子象もトライするが、やっぱりうまくいかない。群れが歩き出し、あきらめた子象は母の後ろをピョンピョンはねるかのように走る。とはいえ、この子象も、大きいのだけど。ちょうど僕らの前で子象が母象を追い抜いた。

→Secenic Spot topへ