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全国に地方空港が乱立する「97空港問題」。その縮図が関西の3空港問題だとも言われる。国内線はA、海外に飛ぶならB、で、、、Cは?伊丹空港と関西国際空港、そこに神戸空港が出来たとき、誰もが思った疑問だ。【棲み分けするにも箱が多すぎる】。

仮に、全都道府県に1つずつ空港を作ったとしても47。旅客が乗り降りするにはそれでも多いぐらいだ。インフラとは便利を優先的に考えて造るものだろうが、そこに「見込み」がなければならない。コンクリートがあって、キャタピラーがあって、土地があって「作る気」もある。よ〜し空港作ってしまえという【勢い】で、果たして10年後の収益見込みはたっているのか?問題視されるのは、その見込みの甘さだったと最近になって一気に問題が表に出てきている。

空港(ポート)をハードとして、ソフトが就航する便だと考えると、その「ソフト」が立ちゆかなくなっているのも更なる問題だ。JALは増えすぎた国内の空港に就航させるため赤字を抱えて飛んでいるという。全日空にしてもそうだ。新規参入したロー・コスト・キャリア(格安航空会社・LCC)も、北九州空港を拠点に始めたスターフライヤーは見込みほど集客がよくないし、静岡空港拠点のフジドリームエアラインズも先行きが怪しい。天草エアーラインは集客に見合った着実な経営と言われるが、それも一気に逆転してしまう危険がある。

国内線を中心に航空会社が乱立し、吸収合併を繰り返して母体を大きくする。その後、成功したのだろうか、、、とアメリカの航空各社を見ていても思う。狭い国土の日本。高速道路ですら「不要」論が出始め、新幹線の「駅」などもしかりだ。そこに「空港」となると、相当確実な先の見込みというのがいる。

おそらく不要な空港はないのだろう。ただ、それを必要としている人の数の問題だ。維持していくことができるかどうかという見込み数値を元に、建設するか否かの判断をしなければならない。作ってしまったもの勝ち。あとは「国(誰か)がなんとかする」だろう、という感覚は、今の時代に見合わない。

この97空港問題は、全てのインフラ(公共事業)にも当てはまる問題とも言える。そして、今後のことを考えてみると、一度造ってしまったモノをどう利用していくのかという次世代のモデルケースに成りうる「可能性」が、逆に言えば空港にはある。仮に「再利用」のモデルケースが確立されたなら、それはすぐに高速道路や駅などにも適用されるのだろう。今、探るべくは、そこかもしれない。