迎賓館赤坂離宮
一般公開(前庭)@東京
天候に恵まれた初夏の午前中、四ツ谷の落ち着いた街並みにしっくりくる迎賓館、一般公開。
雨が降って、それが上がって風が強い、透き通った1日だった。
明治の日本の中心、東京。世界へ目が向き始め、追いつけ追い越せの時代の建物は、そこが日本(東京)であることを不思議にさせる。例えばパリの、あるいはロンドンの。どこかローマにも似た錯覚がある迎賓館赤坂離宮。
四ツ谷駅を降りて、ひたすらまっすぐ、四ツ谷中学を右側に見つつ、学習院初等科を越えると先述のような「まるで外国」の景色にぶつかる。これ、秋の銀杏の時期はすごいぞ、と思わせる新緑の気持ちいい5月の吉日。私は、門構え、そして館までの導線に、いちいち感嘆した。
この赤坂の迎賓感には、洋風の本館と和風の別館がある。今年の春から、そのどちらも、一般公開を始めた。これまで、各国首脳を招き入れた建物。その重みを感じるには、当日、並んで整理券をとるか、ネットで事前予約をするかのいずれかとなる。
ちなみに、京都にも迎賓感がある。こちらの歴史は浅く、その分、和モダンを極めたと言われるが、東京に比べると迎え入れる人の数が違う。故ダイアナ妃は、和風別館へ招いた。
館内への見学は、子連れは厳しい。大人だけで、平日にゆっくりしっかり見るとして、今回は、一般に自由に見学出来る前庭だけを感じることにした。金属探知機でチェックした後、松の木が絶妙なバランスで植えられた道を進む。気高く品のある門をくぐった後は、ずっと本館が堂々と建っている。そこへ、向かう。青空に、本館はよく映えていた。
本館の天井部には、沖縄でいうシーサーのかわりに?鎧兜の武士が二人。係員は、子供が走り回るのも、「手をつないでください」と注意する。ちょっとした段に、腰掛けることも禁止されている。そこまでして、守る「雰囲気」が、ここには確実にあって。それこそが、この場の魅力と化している。昭和天皇が幼少時代に住んでいたことも、建物の重厚さを増しているようにも思う。