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上野アメ横商店街
2008年12月31日

「1000円でいいよ、1000円、1000円、イクラ、1000円」。威勢の良い呼び声がダミ声のあたり、市場?とも思う。ギュウギュウ、ギュウギュウ。「早く買ってよ」とオヤジが右手にイクラのパック、左手に白い袋。「入れたいんだからさ」。で、写真を撮っていると「写真なんて撮ってないで、買ってよ」・・・。

元々、戦後の混乱期、闇市から始まったと言われるアメ横は、アメリカ物の中古品?を扱っていたとかなんとか。「アメヤ横町」なんて呼ぶこともある。正月物の買い出しは有名で、年末の風物詩とも言えるこの活気。俳句を詠むなら季語だろうか。「テレビ見た人〜、500円!」と叫んだオヤジは、これも、これも、これも、とリズミカルに商品をどんどん袋の中に入れていく。「はい500円」っていうのが粋だな。ま、大阪なら、客側が袋にどんどん入れて「300円にしてよ」と言い出しかねない光景。そこは客もわきまえて、500円玉を渡して「どうも」と立ち去っていく。

全長どのぐらいだろうか。400m?もう少しあるかな。店舗がずら〜っと並ぶ中を、満員電車よろしく詰め詰めで、「歩く」からなんとも苦しい。しかも、誰もが左右をキョロキョロしているので、靴は踏まれて当然。んなことは気にしないという体で練り歩く。手に何かを持って食ってる子供は、要注意だけれど。

年の瀬も年の瀬。31日の6時前でも、まだこの活気。

交通整理の警察官が高台から「左側をお歩きください」とハンドマイクから叫ぶ。その声をかき消す、呼び声。袋に入れた海産物がぐちゃぐちゃにならないように歩く横を、また荷物を抱えた人が追い越したりして。タラバガニとやたら真っ赤なスダコが目についた。

っで、うちに帰ってイクラご飯。プチプチ感よし、口に皮の残らない具合もよし。
つまり旨い!半額の1000円で購入したイクラが高かったのか否か。近所のスーパーでチェックしてみる。と、量も質も劣るだろうイクラが、600円で棚に並んでいた。ので、満足満足。一度は買わずに通り超した店に、ギュウギュウギュウギュウの中を戻ってまでゲットしてよかった。ちなみに、明太子も買ったが、こちらも粒のしっかりした無着色、辛さの加減もいい良品だった。博多からお取り寄せするほど明太子好きなぼくも完璧に満足。こちらも4尾?4コ?入って1000円なり。