「アラブの春」という言葉は、一年経った今、その真価が問われている。
チュニジアで2010年末、警察に抗議して焼身自殺した青年への同情を発端に中東各国に波及した民主化運動。チュニジアのベンアリ大統領を亡命、エジプトのムバラク大統領を辞任に、リビアのカダフィ大佐は死亡、イエメンではサレハ大統領が権限移譲に署名した。
これら長期独裁政権を倒したデモは、フェイスブックなどのSNSのつながりが大規模な運動を起こし、リーダー無き革命とも言われた。(朝日新聞参照)
今現在(2012年2月)、湾岸諸国では体制が存続し、シリアでは政府軍が反政府軍を弾圧する状態が続いている。
また、ムバラク政権を倒した民主運動も、「次」の政権選びに失敗し、一年経った今でもまだデモが起こっている状態。
中東地域で起こった2011年の政治変動が、2012年に入って安定するか、さらなる「激動」になるか。今、アラブの春のムーブメントの「次」が、世界の多くの国・地域に影響されるとも言われ、春を待つ多くの人の注目を集めている。
2012.02.12記