協賛券とかかれたパスポート(当日3000円)。これでパブリック会場は全て見られる。このチケット収入がこのイベントを支えている一つ。

阿佐谷ジャズストリート
2008年10月25日

JR阿佐ヶ谷駅の改札を出ると、聞こえる、聞こえる。奏でられるジャズの音。駅前のスターロードにあるジャズバー「マンハッタン」のマスターが発起人?らしく、1995年から始まったこのイベントも今年で14回目。ボランティアスタッフと地域企業の協力、そして協賛券と明記された「パスポート」(チケット)代で賄われている。

駅前には老若男女入り交じり、「普段着」で軽快なジャズの調べに頭や肩をリズミカルに揺らしている。その群れの中で「街角にあふれるジャズ」を体感する。

太鼓を叩き、大地を踏みしめ、西アフリカでは生活の一つひとつに音楽が入り込んでいた。アメリカへ渡ったアフリカンは、虐げられた魂の「声」をリズムにした。音を奏で、時には叫んで、基本はノリノリで乗り切った。そんなジャズ。阿佐ヶ谷という街とぴったりなのは14回目という一種の安定感?からだろうか。

大きく分けて3つからなる。駅前や区役所前で行われるフリーライブのストリート会場。先述のパスポートを購入して聞くパブリック会場。そして、ジャズバーやカフェなど店内で入場料を払って聞くバラエティ会場。メイン会場は阿佐谷神明宮だったが、現在改装中なので杉並第一小学校のグランドに特設ステージが置かれた。ここで、ジャズピアニスト山下洋輔氏と和太鼓の金子竜太郎氏のスペシャルライブがあった。優しく、スムーズに、とけ込むように、ピアノの音はとても優しい。正反対に和太鼓は日本人の魂を揺さぶる。グランドを伝う「響き」が足から脳天に突き上げる。そうなると山下氏のピアノも負けない。身体全体を鼓舞して鍵盤を叩く。黄昏時の小学校のグランドで、世界的に有名な2人の演奏家の、バトルでありハーモニーは、聞いているというより体感する、バタバタ体を動かすのではなく、もっと深く体の中を揺さぶる特別な時間だった。また、阿佐ヶ谷中学の体育館では、トロンボーニスト佐野聡氏が、これまた「ちょうど気持ちいい音」を奏で、キューバ仕込みの仲田美穂氏のピアノがそれにくってかかる。ラテンなジャズ。このパフォーマンスも最高だった。

来年の秋、どんなパフォーマンスが見られるのか、15回目の記念となる阿佐ヶ谷ジャズストリートは、もう今から楽しみだな。
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