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「銀の龍の背に乗って 届けに行こう 命の砂漠へ…」
まさにこの中島みゆき的唄の世界だと思った。万里の長城を歩く。始皇帝から二千年、国家自体を防御してきた「壁」。ぐねりつつ……長い。そして、暑かった。

女坂の人混みを振り返りながら、男坂の急な斜面と直角に近い階段を上る。手すりがやけに10円玉の臭い。もう、手に持ったペットボトルさえも重く邪魔だ。そういえば10元もしたぞ、ここで買う水は!と思い出せば、余計に腹が立った。

「登る」でも「走る」でも、つまりランナーやクライマーのような「ハイ」にはなれないのに、グネグネと続く幅2mほど?の道を上がったり下がったり……、そうするうちに「ハイ」になる。言うなら「昇った」者のハイなのか?ほんと、おかしな場所だった。そっか、「道」じゃないんだ、壁なんだと思えば、またをかし。

万里の長城。誰もが知っている超有名スポット。宇宙に「人」がいるとするなら、彼らの場所からも見えるという、都市伝説まで飛び出す代物だ。

龍の背に「乗る」というより歩きながら、ふと「高速道路のようなものか」とも思った。
抜かし抜かされ。西洋人の老人が、速い。同行者Wも速い。僕だけが遅いのか?それにしても周りは山だなぁ、なんてゆっくりゆっくり、銀の龍の背に乗って…。

万里の長城 
Beijing, China