誕生日の朝、ひとつ年を重ねて少年の度合いの増した息子を見る。もちろん、昨日と今日で違いはないが、一年前の写真を持って、記念撮影をすると、確実にひとつ年を重ねた成長を感じる。この瞬間が、じんわりとホットだ。どこかホッとするところもある。もはや、校区内であれば、われわれ両親の知らない道をいっぱい知っていて、放課後、自転車でうろうろしながら覚えてるんだろうな、と頼もしくなる。どんどん探検してほしい。恐れずに冒険してほしい。が、もう小学生の高学年ともなると、幼いころのように、楽しいことだけやっていればいいというのではない年齢。やらなければならないことというものが増えた。そんな日々で、息子はほんとうにがんばっている、そんな息子がかっこいいぞ、と手紙に書いて渡した。結構、長文で、難しい字もたくさん使ったが、意外にすらすらと読んで。ああ、大きくなったな、と。どこかで、ちょっと寂しいな、とも。だけど、読み終わって、にっこり笑う息子を見ていると、生まれた瞬間から何一つ変わってないな、その変わらない息子のにっこり笑顔の力に、こちらもにこっとなる。息子の誕生日は、いくつになってもホットだ。

誕生日はホットだ
(変わるものと、変わらないものがある、と思った)