空港がとにかく広い。出口だけでいくつあるのか。歩いて歩いて、歩いて。ようやく入国できるというイメージ。しかし、この新しいバンコクの国際空港はかっこいい。空港から市内へ。名物と化した大渋滞。音が凄まじい。バンコクに来たな、と思わせる。ぼくの乗った車は、後ろから左折してきた車に「おかま」をほられた。ドンという衝撃。降りていくドライバー。そこで10分ほど大渋滞の中で停車して「けんか」していた。バンコクだ。市内に入るとまずカオサン通りへ。相変わらずの外国人パラダイス。バックパッカーが多いのがなんだか嬉しい。何度もバンコクにきているので、このカオサンはホッとする。変わったと言われても、やっぱり昔の面影はある。屋台がとにかく旨そうだ。カオサンばかりにいたので今回はシーロムやサイアムなどの街中エリアへ。入ったパッタイ屋のご主人はゲイだった。明らかに。・・・自由だ。
街の中でずどーんと突き抜けるように建っているバイヨークスカイ。その最上階、回転する展望台から街を見下ろすと、渋滞のテールランプが綺麗だった。雨期だったので、陽射しはなく、蒸し暑いと言ってもまだ耐えられる方。チャイナタウンの喧噪や、ハポンの市場の「怪しさ」も、熱気はあっても暑さがましだとなんだか普通に思える。トムヤムクンにカニカレー。真っ赤なイメージの屋台が並ぶが赤シャツのタクシン派は妹の首相就任で一段落か。現地の人曰く、今、黄色集団はデモの準備をしているらしく、今のところ安泰だと。赤と黄色が混ざって、グリーンカレーさながらの中和色になったら、バンコクの魅力はもっとストレートに感じられるのに、と。マクドナルドの店頭で、サワディーカップと手を合わせる人形が、なんだか頼もしかった。トゥクトゥク。それに乗らないバンコク滞在は初めてだったように感じる。百数十円ですえるタバコのパッケージも、グロテスクな写真付きになっていた。市場を歩いて街の中のカフェでお茶をする。この街の変貌は、バイクと車の騒音にかき消されているように見えるが、着実に進んでいるな、と。嬉し悲しい気持ちになったりして。