ニューヨークのランドマークは多いが、このブルックリンとマンハッタンをつなぐ重厚な橋も、その中の重要なひとつ。個人的には、写真に収めて一番しっくりくる表紙映えするスポットだと思う。マンハッタンのビル群、そして自由の女神を望みながら、天気のいい日に歩いていると、青空とのコントラストが見事だ。橋を吊るワイヤーは機能美のなんたるかを教えてくれ、アメリカで最古（といわれ）、鉄のワイヤーで吊った橋としては世界初だっといわれる。石造りの色、ワイヤーの広がり、そこに星条旗がはためいて、なんともデザイン性の高い橋だ。さて、このブルックリンブリッジは、歩いても自転車でも自動車でも渡れる橋だが、20年前には、マンハッタン観光の最南端、最後に訪れるといった場所だった。しかし、橋のふもとに広がるダンボ地区をはじめ、ブルックリンの魅力が高まった今、この橋は、一番最初に訪れて、ブルックリンとマンハッタンのおいしいとこどりをしようという立ち位置になっている。私も実際に、ブルックリンで宿をとり、ニューヨークに到着した初日に訪れ、そもままダンボのスーパーで買い物をしたり、レストランで食事をしたり。なんというか、雰囲気が、そのほころびというかゆがみというか、なんとも言い難いダンボな感じが、歩いているだけで楽しくさせる。アートが多いのも納得だ。マンハッタンからイーストリバーをつなぐ橋（3本ある）の中でも、この堂々たる風貌と、かつて世界最長の吊り橋であったという風格が、ずば抜けて素晴らしい、まさにシーニックスポット。