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カリフォルニア デザイン 1930-1965
モダン・リヴィングの起源
@東京
2013年04月28日
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入場者には、出品リストに加えて、詳しいガイド冊子が配られる。しかも表紙が4種類。この遊びゴゴロがうれしい。そして、この冊子、なかなかの出来。これからの展覧会でも根付けばいいのに、と思ったりして。

さて、本展。まず驚くのは、これが1930'sから65年までのもので、それが全然「古くない」ことだ。ファッションや流行は巡る。という類いの古く無さではなく、なんというか、安定した土台の上に立った定番性というか。それは時代に左右されないものにまで昇華したとまで言っても良いかもしれない。

カリフォルニア。ヒッピーにドラック、そしてラブ&ピース!
世界に発信するアメリカの舞台になったという他に、どんなイメージか。

20世紀。ゴールドラッシュ(鉱業)とハリウッド(映画産業)でカリフォルニアは世界スタンダードとなり、国内外から移り住む人が一気に増えた。

そこで住宅や家具が大量に必要となり、建設業や製造業の勢いもついた。そこで、新しいデザインが次々と生み出された。

ヨーロッパで学んだ建築家やデザイナーがカリフォルニアに持ち帰り、温暖な気候や自由な雰囲気の中で、カリフォルニアらしいデザインを生み出していく。そして、移民者達はカリフォルニアでの生活と、そんな彼らのデザインを結びつけ、モダン・デザインの製品を次々に生み出して、独自のモノを発展させていった。

広いスペースに余裕を持って展示されるどれもが、普通にありそうで、でもない、というものばかり。

まず、アメリカらしい、トレーラーから。銀色に光るアルミボディはアメリカン航空のようだ。イームズが作り出す家具の世界もくわしい。

ケム・ウェーバーの机と椅子(左の写真)は、ほれぼれするほど美しかった。レコードのジャケ写、雑誌の表紙、アメリカのスポーツ車、サーフボード、水着やファッションからテーブルウエアまで。デザインの中に、遊びゴコロがあって、色味が楽しいものばかり。

イームズのストレージユニット(右の写真)は、実際に見ると本当にすばらしかった。黒色の使い方が、本当絶妙です。

展示は、カリフォルニア・モダンが「誕生」し、その「形成」がありカリフォルニア・モダンの生活、そして、その普及の品々を中央の広いスペースでざ〜っと見せる。

見せ方も上手い展覧会だった。