生後100日の赤ちゃんが一生食べ物に不自由しない様にとの願いをこめて行う祝いの行事「お食い初め」。そんなお膳を色々探して決めたお店。寿司カウンターに鉄板焼きのカウンターまであり個室も揃える万能型日本料理店。会席といってもお昼なら手軽にいただける。場所は椿山荘、サービスはフォーシーズンズという「さすが」感を堪能。お食い初めの行事をしつつ、両親は季節の会席をいただいた。

まず、おそらく30年後でも「あ〜あれは旨かった」と振り返ることができるだろう逸品、焼八寸の蟹甲羅焼き。蟹味噌かと思いきや、蟹実をふんだんに使った意外性満載の料理。春らしく筍の美味。手をかけて美味しくする日本料理の真髄を見せられたようだ。吸物や煮物は出汁をきかせた薄味で、しっかりとした旨み。ただ一点だけ残念なのは鯛めしが冷めていたこと。おかわり自由というお昼ならでは?のサービスはあったが、一膳でいいのでもうひとこえの味と「温かさ」が欲しかった。岩海苔の香りが豊かなお味噌汁の温かさが妙に自宅的で。上手く言えないがそのギャップがよかったりもした。最後の甘味をいただきながら、先付けの竹の子の味をまた思い出す。吸物の真丈がたまらなかったと舌が騒ぎ出す。日本料理の会席。その真の味は後追いにあると見る。そういう意味で、焼八寸を始めとした料理の一つずつを思い返しながら、にんまりしてしまう。

お食い初め膳についても同じことが言える。下味のしっかりした薄味。それは京料理のそれに煮ていた。めでたい色味、鯛の味。まだ食べられない息子に代わって両親でいただいた。個人的には茶碗蒸しと蛤真丈が最高だった。

【日本料理】
フォーシーズンズホテル椿山荘東京 みゆき @目白

2012年3月3日(土)

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お昼の季節の会席
ひいな遊び
6,000円(1人・飲み物別)

← お食い初め膳 5,000円
・尾頭付きの焼き鯛
・赤飯
・蛤真丈
・煮物
・梅干し
・あんかけ茶碗蒸し
・小石