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身分証番号。一人の人間を示す「証明」を偽装しなりすました別人が「自分」として生きる。
受験戦争激化に伴って多発する中国のニュースに「クローン人間事件」というのがある(朝日新聞より)。今の時代をなんとなく象徴しているようで気になった。
言ってみれば「右から左へ」の流れのひとつに一人の人間がいる、というか。
クローン羊のドリーが誕生したのが今から13年前の1996年。それからDNAの研究は盛んで、人間もつくれてしまう勢い。『パーマン』のコピーロボットの、あの赤い鼻が見え隠れする進歩に、倫理観云々と世論は騒いでいる。野菜しかり、特にスパイスはDNAを操作して、「優等生」ばかりが市場を席巻しているなんて、何かで読んだことがある。
う〜ん。神様以外の創造は、許されるのか。
そんな「重い」ことを考えるまでもなく、パソコンに打ち込む「数字」でクローンになってしまう時代、なのだ。受験生AとBがいる。Bより成績のいいAを妬んだ裕福なBの親は、Aの書類をBのものとして改ざんする。それだけで、BはAとして生きていく。それも幸せに。
成りすまし、偽造、黒い金。こんがらがるだけこんがらがって、正直者は何もしらず馬鹿を見る。
知らないうちにできた自分のクローンは、自分よりも「幸福」な人生を送っているというなんとも憤りを隠せない事件。これから、未来はスピーディーに、より広い世界と繋がっていく。
自分という証明を、明らかにするための証明がいるという複雑怪奇な未来へ、、、
ぼくらは進もうとしているんでしょうね。