NHK Eテレの大人気番組、「デザインあ」。その展覧会は今回が2回目になる。5年前の2013年4月、六本木ミッドタウンの美術館で行われたものより、今回はバージョンアップしている。〈前回のデザインあ展のレポートはこちらへ〉
夏休みの土曜日ということで、お台場の日本科学未来館には(周辺で行われている夏のイベントと混ざって)人が大勢いて、入場するのに整理券が配られる。ただ、あまり詰め込み過ぎないので、昼の時間帯が狙い目。確かに混雑していたが、〈観察のへや〉も十分に愉しむことができた。チューブの「あ」から始まって、お弁当と詰められている食材をならべた「つめられたもの」、たまご料理を分解してならべる「たまごの変身」などを見ていると、あ〜、これこれ、これがデザインあ展だ、と思わせる。楽しい展示なのだ。パーフェクトロンの「梅干しのきもち」は、弁当箱にあいた穴から覗くと、梅干しも気持もわかる、という遊べる展示で、大行列。とにかく、夫婦で交代で並んで、息子はその間、遊んでいる、という図。面白かったものをランダムに記すと「抽象度のオブジェ」は、男女の人形が、だんだん抽象的になって、最後は○と△だけになるというもの。「マークをつくる」というのも楽しめた。いずれも岡崎智弘の世界。「○回の動作」は、モニターの前で何度か手を叩く、とその動きがモニターに現れる。三回叩くと・・・三三九度の動き、四回だと・・・フレー、フレーの動作。何がでるかな、と楽しみに待ってしまう。またしてもパーフェクトロンの「全国名字かずくらべ」。佐藤や鈴木がドンとでかく(数が多いので)書かれる中で、え?前田ってこんなもん?とか、以外に城崎って大きい、とか。妻の旧姓は非常に珍しいので取り付けられた虫眼鏡で探したけれど、超小さい字にも、なかったような。網羅されているわけではないんですね。「名は顔をあらわす」は、4文字の名前をいれると、自分の顔が文字になって、目をパチパチしたりするというもの。「もんどころ」では、コンパスをつかって幾つも円を描いて、紋を描く。
〈体感のへや〉は、今回パワーアップしたな、と最も思わせる。映像の中村勇吾、音楽の小山田圭吾が組んで「あ」のテーマを360度ぐるっと取り囲むスクリーンで愉しむ。「解散!」は圧巻だった。中でもいちばんかっこよかったのは「森羅万象」。デザイン=紋=森羅万象、という表現が、この箱の中でベストマッチしていた。あの場にいないと絶対に感じられない世界感だ。「ガマンぎりぎりライン」は小学1年生がクスッと笑う程度のわかりやすい笑い。
〈概念のへや〉は、アートの色が濃い。はやい「あ」、おそい「あ」。この時間を使って表現する空間がすばらしい。「くうかんの入口」や「ひと ひと ひと」で距離感を体感して、「歯車になる」で体と目を回しながら、愉しんで。汗を少しかくという展覧会。退場すると、フッと軽くなっている。
デザインあ展 in Tokyo
@日本科学未来館
2018年8月18日(土)