いつでも何処でも情報を検索できるなら、自分の脳内に記憶しておく必要はない。むしろ、思い出すのに時間がかかる脳は「遅い、使えない装置」となる。(朝日新聞より)

こうした「デジタルネイティブ世代」は、知識や記憶をアウトソーシングしているという。生まれたときからデジタル。その「環境」でネイティブにネットを使いこなす世代。2011年3月、京都大学などの入試で携帯電話からネットの「掲示板」に入試問題をアップして答えを「たずねた」というネットカンニングでこの言葉が注目された。

考えてみれば、テレビが生まれたときからあった世代が生んだインターネット。そのインターネットが「あった」世代は、今度、何を生み出すのか。世界を高速でリンクさせたネット社会では満足できない、もっとバーチャルな、実質上の非力を形成しなければいいが……、と宇宙までを視野に入れた未来に向けて、少しだけ心配になる言葉でもある。

が、できることは格段に広がったわけで、「新しい」という印象がつよい世代。悲観よりも期待したい。そう思えば思うほど、「こんなこと」でフィーチャーされたくはなかったコトバだ。

2011.03.06記