こじんまりとした店内は、オープンキッチンで活力のある雰囲気。シンプルな内装と相まって、非常に心地良い空間。ランチはおまかせコースのみで、どの皿も、素材にこだわり、工夫をこらしたオモシロイ味が素晴らしい。ドリンクも、シャンパン、赤ワイン、白ワインともにどれも美味しく、子供にはこだわりぬいたぶどうジュースとリンゴジュースを。

1皿目。小さな前菜は見た目も美しく、とにかくオモシロイ。特に、イカのすり身にイカスミで包み、その上にカラスミとイカの炙りを乗せた一品。手でぱくっといく。これは見事だった。生ハムも自家製で味が深い。2皿目のイクラは、シェリー酒と塩でつけたこちらも自家製で、下にはセロリのピューレと甘栗のムース。3皿目はさすがは北陸。肉厚のブリに添えるソースが2種。タマネギと塩のソースと、にんにくのソース。どちらも美味しい。4皿目。個人的には一番よかったカサゴの料理。ブイヤベースの味わいが深く、一緒に救って食べると口の中に一気に広がる香り。フレンチの白身魚は、やはりバリエーションが豊富だ。

パンも二種類。こだわったバターと一緒に頂く。チェイサーの水が提供されるのが良心的。

魚2皿の後は肉料理。牛のほほ肉をこれでもかというほど柔らかく。そしてソースが絶品。パプリカをきかせた味に添えられたポテトがよく合う。やわらかい赤ワインが、本当においしく感じられる。デザートは柿。干し柿になる前の状態を、こちらも二種類の味わいで。真ん中にはほうじ茶のアイス。ジュレと一緒にやわらかい柿を味わった後は、さっぱりしたアイスで。そしてクリームチーズと柿。

コーヒーと一緒に、カヌレや生チョコ、フィナンシェの茶菓子を食べながら、軽やかな会話も進む。器やグラスにもこだわりを感じる。テーブル席４つというキャパだからか、隅々にまで行き届いたサービスが素晴らしい。11歳の子供に、リンゴジュースを3種類見せてくれ、それぞれの味わいを説明してくれるサービスにも、この店の良さを感じる。