ど真ん中のストレートで愉しませてくれるフレンチの名店「エスキス」。ここを三つ星とするには、11,000円という値段設定がネックになっていた。ランチのおまかせコース、お金を払うならそりゃ旨いだろうよと気持があったからだ。が、そんな気持ち、最初に出された小さな前菜、フォアグラのテリーヌで吹っ飛んだ。食感のアクセント、味のバランス、大きさ、そしてなでしこの花を添えるあたり。とにかく素晴らしい。グラスシャンパンも、蒸し暑いこの日に合わせたセレクト。魚、お肉と続くメニューに合わせ、ソムリエにワインをお任せする。まずはどのぐらい飲むか。赤と白を一杯ずつ、といっただけで、まずは2品目の前菜(アスパラ)と魚(太刀魚)に合わせて白が出てきた。なるほど確かに。的確なセレクトだった。大きなアスパラは、素材の味を存分に楽しめる援護射撃がすごい。そして次はフレンチに珍しいスッポン。癖のないスッポンの身をサワークリームや茶碗蒸しのようなソースで楽しむ。これは、この日のコースメニューの中で、一番特異で、インパクトがあった。パンは4種。次々に提供され、足りなくなった足してくれる。無塩バターが身体に優しく、私はそこに塩を振って頂いた。最後には、満腹でお菓子が入らないほどになったのは、パンが美味しく、どんどん食べてしまったことによる。それぐらい、パンのレベルも高い。
【フランス料理】
ESqUISSE(エスキス) @銀座
2018年5月24日
■ランチコース 11,000円
グラスシャンパン
ミネラルウォーター
前菜2品
魚料理
肉料理
プレデセール
デセール
コーヒー&小菓子
お土産
■赤ワイン(グラス) 2,500円
■白ワイン(グラス) 2,500円
+税+サービス12%
魚料理は太刀魚。想像していたよりずいぶんと立派で、身はほくほく。単調な白身に絡める複数のソース。皿の上で次々に混合していき、口の中で完成する味がとても複雑で素晴らしい。ここで、赤ワインが注がれる。肉は京都産の鴨肉。皮と身の間に油が多く、そんな料理には渋くない赤が合う。欧米人のマウスと日本人のマウスがドライでウェットだとか云々、ソムリエの調子も上がってきたところで、ワインが注がれ、グラスをくるん、と。中でワインが一周する。で、飲んでみる。旨い。そんなに高いワインではないはずなのに、とても旨い。そして鴨肉を食べて、ワインを飲むとぴったり。この赤のセレクトは特に素晴らしかった。鴨肉にアプリコットを添えてたべると、こんな変化を生むのかと感動さえした肉料理を終え、小さなデザート。二種のチェリーを楽しみ、メインのデザートはバースデー仕様。とにかく種々の抹茶を楽しんだ。コーヒーまでしっかり美味しいザ・星付きレストランのランチは、値段以上の、満足があった。