Flygskam
(フリュグスカム)


日本においては、大動脈の東京・大阪間の「飛行機vs新幹線」というのが昔からあって、
他の地域でも「3時間の壁」が一つの指針になって
乗るまでの時間がかかる飛行機(でも乗っている時間自体は少ない)か、
乗っている時間は長くても気軽に乗れる新幹線か。
そんな風にして、インフラ設備が進んできた。
最近、金沢と東京間で新幹線が開通すると、
小松空港や富山空港の羽田便が減少。
一方で、台風被害で新幹線が壊滅状態になると、
飛行機を増便するという「選択肢」があったこに胸をなでおろしたり。

と、国内においては、遠い=飛行機、近い=新幹線という定着に加えて、
夜行バスやLCCの搭乗など、なにかと利便性に重点をおいた移動の問題は話題に上る。


が、
スウェーデンから生まれたこの言葉。
「飛ぶことは恥」「飛行機恥」という
フリュグスカムという言葉
がちらほら日本でも紹介され始めた。


移動時間、利便性という観点ではなく、
環境に重点をおいた考え方(ムーブメント)である。

乗客1人が1km移動するのに排出される二酸化炭素の排出量は、
鉄道が14g、バスや車など道路交通が158gであるのに対して
航空機は285gと群を抜いている(東洋経済より)。

地球環境は、言わずと知れた二酸化炭素排出量の多さで疲弊し、
温暖化を生んでいる。

いかに、二酸化炭素を減らすか。
ここに重点を置くと、飛行機と新幹線なら、
新幹線で移動した方が、「環境にやさしい」ということになる。
一説には、環境意識の高い欧州では、寝台列車が復活し、
飛行機でひとっ飛びするのではなく、
一泊して移動する動きが盛んだという。

時間の無駄は、金(を生む機会)の無駄。
そんな考え方で高速に移動してネットワークを広げた「リアル世界」が、
そのネットワーク網をバーチャルに変えて、ネットでつながる仕事も増える中、
<どうせ移動するなら>せこせこ急ぎ足じゃなく、のんびり寝台列車で。
そんな風な考え方になる方が、ここ日本では可能性があり、
この先、どうなるかが注目だ。
特に、東海道という大動脈にリニア新幹線が開通すると、列車移動は、増えるだろう。

このフリュグスカムが、ビーガンよろしく「個の考え方」「個の主義」と受け止められると、
地球規模ではなんら影響を及ぼさないようにも思うが。



2019年11月10日記