富士屋ホテル 
Hakone, Japan

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1891年に建てられた本館の正面は回転扉。それが木製であることが、この富士屋ホテルが和洋折衷の、いわゆるところの「海外に目が向き始めた日本人」が作り上げた「外国人専用ホテル」の始まりを思わせる。元々の藤やホテルの場所を買い取って立ち上げた富士屋ホテル。1905年に「西洋館」、1936年に「花御殿」ができる。誰が建てて、何代目がカスケードを作って、広大な中庭を整備して云々。チャップリンが泊まった時の秘話、ヘレン・ケラーと尾長鶏の話。そして、それがフロント前にある彫刻になったこと。メインダイニング「ザ・フジヤ」の店内彫刻の見事さとその理由などなど。毎日午後4時から行われる館内ツアーで詳しくしることができる。この館内ツアーに参加したあと、フラワーパレスと海外のお客さんに喜ばれる花御殿の鍵が大きいことや、バーの前のトイレがもともとプレイルームでその壁の模様が面白いことなどなど知ることができる。富士屋ホテルについたらまず、この館内ツアーで、ここがクラシックリゾートホテルと呼ばれ、人気を博している理由を知ろう。その後で、自分のペースで温水プールや資料館に出向くのが良い。

広大な敷地に大きく3つの建物からなる富士屋ホテルも、館内ツアーの後では中で全部繋がっていることを知ることが出来る。ジョン・レノンとオノ・ヨーコがティータイムを愉しんだラウンジ。テディ・ベアはオリジナルだ。そして有名なカリーはレトロモダンの舞踏会の香りか。坂道を下りて、敷地の一番下、国道一号線沿いにあるパン屋は、富士屋ホテルオリジナル。焼きたてのレーズンパンは、柔らかさ、甘さ、風味、全てにおいてよかった。

各部屋にひかれた天然温泉のお風呂につかって、とにかくなにもせずのんびり過ごす。それが一番。チェックアウトは少しゆったり目の午前11時。朝にはもう一度お風呂にはいるもよし、山の中の庭とかした中庭を登って、風車の前の幸福の鐘をならすも、よし。帰りには、700円の富士屋ホテルオリジナルカリーを買ってみたりして。

快適に泊まって、快適に過ごす。昨今のデザインホテルは個人的に大好きだ。アメリカンタイプのホテルも、やっぱり水回りを中心にいい。が、たまには、こうゆうレトロな空間で、洗練された美を堪能しながら、ぎしぎしきしむ木製の廊下を歩いてみるモノ素晴らしい。そう思った。