とにかく「Happy」の人、といってもいいぐらいのメガヒット中のファレル・ウィリアムズ。6年前の2006年にファーストフルアルバムを出してから7年。満を持して発表されたのがこのセカンド。びっくりするぐらいの出来。細部にまで懲りすぎて、何度聞いても舌を巻くまわしかた。と、思うと急に、勢い任せで突っ走ってくれたりもして。自宅で大きなヘッドフォンをして、ゆったりお酒でも飲みながらも聞けるし、外でピクニックしながら、ポータブルスピーカーを持ち出して、そこで大音量で聞いてもいいし。もちろん、ウォークマンで一人きり、移動の時に繰り返し聞いてもいい。何とも、実の詰まった一枚だ。
自分のファーストアルバムがうまく行かず、トラウマになったとまで言われた彼が、いろんな人の楽曲参加、プロデュースを通して、ひらめき、見えたモノの現れか。
楽しみなのは、「次ぎ」。今度のファレルがどう出るかを待ちながら、このアルバムを繰り返し聞くまで。
“Marilyn Monroe”がガール、ガールと連呼し、ふわりと浮かび上がった気持ちをしっかりと抑えて惹きつける“Brand
New “。トラックも3番目まで来ると、完全にこの世界に浸ることができる。それにしても「My
Love is カンフー」というのも面白い世界だ。
マイケル・ジャクソンのような音の流れと歌い方。“Gush”は、歌詞を追っていけば「おいおい」となんだかすごくあふれ出てくる一曲。
そして、“Happy”。これは大ヒット曲に必ずある「やっぱりいいな」という認めざるを得ない点が多い。まずは始まり。こんなリズミカルに始まって、惹きつけられて、で、サビでハピィ〜、とは。クラップ・ハンズだ。
ここから、“Come Get It Bae”、“Gust of Wind”とHappyの勢いのまま行って、心地よく。で、“Lost
Queen”でグイッと勢いを止める。Speechにもありがちな、やけにアジアンな一曲。で、今度は爽やかにスティービー・ワンダーのように歌い上げる“Know
Who You Are”。
ラストはこのアルバムをしっかりとしめる“It Girl”。この曲が、たぶんファレルの真骨頂。醍醐味がいっぱい詰まった一曲。その後、ボーナストラックで、久しぶりに、本当に得したなと思える“Smile”へと続く。
聞き終えて、もう一回思う。次のアルバムが聴きたい。それまでこれを聞き続けたい。と。
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