実物大ガンダム立像 @お台場 
Odaiba Tokyo, JAPAN

地下鉄で汐留に滑り込む。立体交差したこの街は、自分が今、何階にいるのかが分かりにくい。ホテルやビル、テレビ局などが林立している。その駅から「ゆりかもめ」に乗って埋め立てられたお台場へ向かう。レインボーブリッジの車の群れ、空では羽田に降りる飛行機が頻繁。海。ビルビルビル。東京タワー。なんともトーキョー的な光景だ。そして、夏休みのこの時期、ゆりかもめでお台場に向かう8割近くが外国人か地方からの観光客ではないか。中国語は、群を抜いて鋭く喧嘩ごしに聞こえる。ゆりかもめが海浜公園から台場駅に向かう途中、高速道路の隙間からガンダムが見えた。埠頭に立つ空想上のモビルスーツ。緑多い一角に映える白いガンダム。

『機動戦士ガンダム』のアニメ放送開始30周年の記念と、東京都などが進める緑化推進と公園の活性化、さらには東京オリンピック誘致などが絡んだ「GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト」の中の目玉として作られたリアルスケールのガンダム立像。18m。光と音と煙の「ショー」までやってのける。

お台場といえば、レインボーブリッジを背景にフランス政府からレプリカとして正式に認められたブロンズ像「台場の女神」や、丸い球体が不安定に安定するフジテレビ本社ビルなどがランドマークだったが、期間限定とはいえ、今のランドマークは兵器として闘うロボット、このガンダムだろう(2009年8月31日まで)。マンガやアニメ、ゲームなどのサブカルチャーで「日本」の世界に向けての発信力はすさまじいものがある。そんなサブカルの中で、常に使用され、根強い人気を誇るガンダム。そんな「像」が東京に立っているというのも、実に象徴的で良いような気がする。ただの塔や像ではなく、顔が動き、煙をはき、光と音の中で「飛び立たん」とするところも、「今風」だ。大阪・万博公園の太陽の塔と、お台場のガンダム。何だろう、カルチャーに上や下があるのかどうかは不明だが、世界へ発信したという「状況」だけを見ると、どちらも力強い。東京オリンピックが決まった際には、このまま置いておいてそのシンボルにすればいいのに、、、と、たかがアニメの、されどこれだけの人を惹きつける魅力に、そんな風に思った。

ニッポン・サブカルチャー的、絶景也、だ。



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