ハブ港湾
国土交通省が日本のハブ(拠点)港湾として重点整備する「国際コンテナ戦略港湾」。それに京浜(東京港・川崎港・横浜港)と阪神(神戸港・大阪港)が指定され、釜山や上海、シンガポールなど、台頭するアジアのハブ港に対抗しようとしている(以下朝日新聞参照)。
ハブと言えば空港。多くの地域・国から一カ所に集め、そこからまた旅客や貨物(航空便)を散りばめていく。車輪の中心点。その「港」版がこのハブ港湾になる。
当初、名古屋や四日市などの伊勢湾や博多、北九州の北部九州なども候補に挙がったが、最終的には落選した。
この指定を受けると、大型船舶に対応した岸壁整備のための国の費用負担率のアップ、民営化した港湾施設の固定資産税減免などが受けられる。
「世界から2周遅れ」と前原国土交通相が発言するとおり、1980年に神戸港などが世界4位にはいるなどしていたが、最近は他のアジアに押されがち。国内トップの東京港でも2009年度は世界26位と低迷している。
現状、世界のトップはシンガポール、2位が上海。それらとの取扱量は約7倍の差があるという。
アジアのハブを狙った日本のハブ港湾。今までのように、国内でトップだと世界でもトップクラスだったという時代は終わったように感じる。台頭するアジア。世界が「見ている」アジアという中に日本がこのまま「スルー」されている状況だけは避けなければならず。
今回の指定に冷ややかな意見もあるというが、羽田空港の国際化など、「世界の中の日本」を見た政策には、個人的に大賛成だ。
2010年8月8日記