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2005年10月、「公民権運動の母」と呼ばれたローザ・パークスさんが亡くなった。92歳だった。今から50年前の1955年12月、黒人差別の残るアメリカ、アラバマ州・モントゴメリーで、パークスさんは市バスの「白人用」の席に座り、白人が乗ってきたので席を変わるように言われたが動かず、バスの運転手が通報すると彼女は逮捕された。この事件をきっかえにおこったのが、黒人による『バス・ボイコット運動』。映画『ロング・ウォーク・ホーム』は、その運動の最中にあって、黒人のメイドと白人による話しが描かれている。黒人たちは立ち上がった。不当差別に、これ以上、黙ってはいられないと。キング牧師が現れ、大展開を見せた公民権運動は、ここから始まったと言われる。
当時の市バスの客はほとんどが黒人。そんな彼らのボイコット。黒人たちは、生活の足となっていたバスを拒否して、自分の「足」で歩き始めた。
あの時、なぜ席を白人に譲らなかったのかと問われ、ローザ・パークスさんが記したコトバ、「私は白人のいいなりになることに疲れていたのです」。
グッとせまってくるものがある。今年9月のハリケーン被害などをとっても、50年たったアメリカ南部の州では、サベツはなくなったのか、、、と首を傾げてしまう。そんな中での、彼女の死去だった。残されたコトバ、疲れた、という過去。これからのために多くのことを残してくれた、と思う。