若き日、バックパックを背負って旅したニューヨークやパリ、アムステルダム、バルセロナなどで、目にする機会の多かったアンリ・ルソー。個人的に大好きになったのは、原田マハ著『楽園のカンヴァス』を読んでからだったか。

2013年、2歳になったばかりの息子を連れて、世田谷美術館を訪れ、アンリ・ルソーの世界にどっぷりつかったことは印象深い。その翌年、国立新美術館で開催された「チューリッヒ美術館展」で、『X氏の肖像(ピエール・ロティ)』を見た時、三歳になった息子は、オジサン、オジサンといって、とても気に入っていたようだ。子供の歓声にズパッと直球を投げかける作品だった。

2023年、国立西洋美術館で行われた「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展」。今でも強烈に覚えている『熱帯風景、オレンジの森の猿たち』は、今まで見たルソーの作品の中で、個人的には断トツで一番好きだ。色の力、キャンバスのサイズともに、絶妙だった(この作品は、数少ない撮影禁止の一枚だった)。

”背景を完成させた後に人物像を描き込む制作方法を用い、とくに異国の密林を舞台にした神秘的な作品が多い。密林風景は、メキシコ出兵に従軍した際の記憶がもとになっているという一説があるが、メキシコの遠征軍から聞いた体験談や、パリの植物園に着想を得た説が有力とされている。1910年没。”(美術手帖より)

《当サイト内で「アンリ・ルソー」に関するページ

アンリ・ルソーから始まる 素朴派とアウトサイダーズの世界 @世田谷美術館 2013年11月02日

チューリッヒ美術館展 @国立新美術館 2014年11月8日
アンリ・ルソーの《X氏の肖像(ピエール・ロティ)》

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