優勝が決まる瞬間、その時間はまさにシーニック。絶景と言える光景が繰り広げられる。甲子園行きを決める高校野球の地方大会。最近では甲子園に行ってからよりも自分の地元で「優勝」が決まり、甲子園へ送り出すチームを見届ける「地方大会ウォッチャー」が多いと聞く。確かに、マンガでも映画でも、高校野球の青春群像劇では、甲子園に行くまで、に焦点が当たる。つまり、ドラマは、地方大会にあるのだ。そして何より、関西まで行かずとも、自分の地元で行われる試合こそシーニック。その中でも決勝戦は格別だ。私の場合の地元、神宮球場。西東京大会はこの年(2017年夏の大会)、清宮フィーバーでチケットが取れないので、東東京大会の決勝戦へ。最後、勝負がついて選手たちがマウンドに駆け寄り「1」を高らかに掲げる。そのシーンを見に行ったのだが、シーニックなのは、その手前で、ホームベースに並ぼうとしている敗者たち。このコントラストが実にシーニックだ。