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2006年4月8日、晴れ

さくらが咲いたら出かけたくなるそんな週末の土曜日。
京都は嵐山へ行った。人・人・桜・人・だんごに饅頭。豆乳ソフトクリームを買うにも行列が出来るのは観光地なら、では。人力車が原付バイクと併走しながら歩道からはみ出た人を避ける。
晴れてはいるが、太陽が鈍い。桜も見頃かと、渡月橋から見渡す山々は黄砂でけむっている。頭の中で「ケツメイシ」がグルグル回る。

さくら弁当にさくら餅、さくらの花漬まで並ぶ店頭に群れる人びと。花より団子ならぬ花の団子。老舗「吉兆」では着物姿のお出迎え、その前を通り過ぎながら、「縁ないわ〜」と同行者M。京福電車(らんでん)の嵐山駅で「あし湯」でもしようかと、また、行列。
う〜ん、お昼を食べたら保津川下りでもしよう、ということで、出発地・亀岡に移動する。嵐山と亀岡を繋ぐ「トロッコ列車」は、当然ながらの大行列。ここは、JRでパッパッと移動することにした。
400年続くこの「保津川下り」は、京都へ物資を運ぶための重要なルートだった。日々変わる水位、その都度変わるルート。岩が多いゴツゴツした渓流。水は一昨日の雨で少し濁っていたが、それでも綺麗だった。
船頭さんが竿を突く穴「さおつぼ」があちこちの岩に開いている。その数、数千。それだけの歴史。うわ〜、きゃ〜とスリルを味わうなら雨の多い6月と9月、風景を楽しみ、風に癒されたいなら5月、絶景に酔いしれたいなら11月下旬から12月上旬の紅葉時期、らしい。ん!4月は?桜は???実は、保津川沿いにはあまり桜はない。もちろん嵐山まで下れば山の中にも川沿いにも咲き誇っているが、上流にはそれほどない。トロッコ列車の線路沿いに桜の木を植えているので、それを楽しむ。あと、数十年すれば、今、どんどん植えられているさくらの木々が育っていくだろう、と船頭さん。そっか・・・。
それでも「女淵」と呼ばれる、流れのとても静かなところは、船を漕ぐギーギーという音と鳥の鳴き声、静かに滑る水面の音だけ。
深呼吸したくなるほど気持ちがいい。水の上から山を見る「目線の高さ」がなんとも心地よいそんな2時間は、どの季節に行ってもそれぞれの「良さ」が味わえる、はず。