Dive in Art。鑑賞する絵画から、体感する絵画へ。
非常に話題になっているこのアート展は、
想像を超えてダイブできる。

四方の壁(スクリーン)と地面に投影された映像の中に飛び込んで、
配置された大型のクッションに寝ころびながら体感する。

天井まで演出されていたらなおいいだろうな、とは思うものの、
投影する機器があるので、それは難しいのだろう。
だけど、このアート空間は、確かに鑑賞するのではなく、体感できる。

まずは「印象・日の出」。
印象派の名画の前に、舞台となった港町の映像と朝日が映し出され、
その映像が徐々に絵画に変わる。
このなめらかな変化に、すぐには絵画に変わっていることに気づかない。

次のシーンでは「印象派展」。
パリの街が度を抜けて、展覧会が行われているアパルトマンの上階へ。
実寸の印象派絵画が映し出され、
その昔、パリの人々が見ただろう空気感をここに再現してくれる。

そして「印象派の技法」。
細かい筆致、そして鮮やかな色の絵具の重なりが繰り広げられ、
絵の中で色のシャワーを浴びているようにすら感じる。
モネの「ラ・グルスイエール」の技法を紐解いてくれる。

モネ、カイユボット、カサット、ドガ、
ピサロ、モリゾ、シスレー、ルノワール。

これら印象派の画家たちの個性をわかりやすく
繰り広げてくれるシーン04では、
同じ印象派の画家でもスタイルはいろいろであることを改めて知らされる。

ついに、この体感のメインイベントともいえる「絵画の中へ」。
水面で木船を漕ぐ男性に、ぐーっと近づいて、
その男性をとおりすぎてその先の世界へ。
これを体感すると、非常に感動する。
二次元の絵画を三次元にして、
その中に入っていく。
まさしくダイブ・イン・アートだ。

ラスト2つを飾るのはモネ。
まずは「モネの連作」を光(色)の変化にそって見せてくれる。
同じ構図でも、光によってこれだけ違うのかと
目の前でいっぱいいっぱい展開してくれる。
じっと寝転がってみているだけなのに、
時間の移り変わりを感じさせてくれる。

「睡蓮」は、ジヴェルニーにあるモネの庭に(まさに)飛び込んだ感覚。
絵が四方から迫って来る感覚は、普段、きれいな映像に慣れている目には、
とても特異に映る。
そして、その色使いが優しく、
全体的にぼやけて広がる感じが、
とても心地よく、とにかく気持ちい。

カフェや仕掛け絵画など面白い仕掛けも多く、
アートを愉しむ時間の使い方としては非常に巧みで、
これまでに、感じたことのない充実感がわいてくる。






















































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Immersive Museum
“印象派”IMPRESSIONISM

@日本橋三井ホール(東京)
2022年8月27日(土)