■Yosui Inoue
(井上陽水/いのうえ・ようすい)
1948年福岡県田川郡糸田町出身
アンドレ・カンドレでデビュー、というところからすでに陽水。デビューして2年で、本名の「あけみ」を音読みして「ようすい」に変えて活動する。私の世代的に、名作を振り返って改めて知る、といったことの多い陽水の世界感は、音の響きから、盤石の表現したい大きさ、確実さ。そこに、のっかる圧倒的な声の存在。今、改めて陽水の魅力を書くのは、かえって難しい。
リアルタイムで陽水を知ったのは、リバーサイド・ホテルだった。その前に、色んな人の影響で感謝知らずの女や氷の世界も。少年時代、Make-Up shadow、五月の別れは、詞の世界にどっぷり浸かった。
陽水の好きなところを挙げよ、と言われてまず口にするのは、もちろん詞。頭の中で色を展開したり、響きを重ねたりずらしたりしながら強烈な言葉をズドンと決めてきたりする作品の数々に、驚きと感嘆、もはや快感まで覚える。個人的には、B面の曲を集めた「GOLDEN BAD」が、頭の中で反芻する。京都会館や国際フォーラムで陽水のコンサートへ行き、MCに笑うよりもむしろ、歌の、声の、立ち振る舞いの全てに、他にない陽水像を楽しんだ。太く、高音に響く音の(声の)余韻が、無性に私の何かをくずぐってくる。
忌野清志郎、玉置浩二、奥田民生らとの音楽も、提供した楽曲の数々も、陽水の世界感はオリジナルで印象的だ。飾りじゃないのよ涙は、カニ食べ行こう、ダンスはうまく踊れない。今でも、HEY!HEY!HEY!でデビューしたばかりのPuffyが「アジアの純真」を歌ったとき、その歌詞を聴きながら驚いたのを覚えている。あの歌詞を、「良い」と思わせてしまう陽水のこれまでが詰まっているかのようだった。フォークから始まり、時代に合わせて変貌しつつ、昭和と平成を軽やかに、オリジナルに駆け抜けた彼の、帰って昔の楽曲は、余計に染みてくる。
一緒に行こうよ 私と二人で愛の国
きっと行けるさ 二人で行けるさ夢の国
ラララ...ラララ...
寂しいことなんか そこにはひとつもあるものか
あなたが愛して 私も愛する それだけさ
ラララ...ラララ...
よくお聞きよ 二人の言葉
カンドレ・マンドレ
サンタリ・ワンタリ
アラホレ・ミロホレ
1234ABCDEFG
1969年、これで、デビュー。
デビューから50年
今のところ最新のシングルはこれ、「care」
気をつけて お嬢さん
真夏の あの光に
I LOVE YOU, EVERYDAY
気をつけて 恋して
あなたは 夢ばかりで
マリン・ブルー