桂離宮 
Katsura, Kyoto

2012年9月4日、火曜日。2度目の桂離宮に行った。
1日に入場できる数が限られ、秋の紅葉シーズンにはめっぽう予約の取れない桂離宮。
集合時間の13時過ぎ、それまで晴れていた空が急に曇り、雷鳴が轟き始めた。
京都の空は不安定だった。
最初に簡単な説明をビデオで見せてくれる。
そして、グループで順に見学していくのが、ここのルール。
解説員は、とても詳しくおもしろかった。
見学を開始する頃には小雨に変わり、石は水を打って光り、苔もまたきれいだった。
池の水面には波紋。雨もまた、よかった。

【見学ルート】 表門と御幸門→外腰掛→州浜→松琴亭→賞花亭→園林堂→
笑意軒→書院→月波楼→御越寄

桂離宮で最も格式の高い茶室、松琴亭。モダンな市松模様のふすまが印象的。

桂離宮は、後陽成天皇の弟・八条宮初代智仁親王によって別荘として建てられ、以来、三代にわたって増改築をして現在の形になった。明治16年に当時の宮内省所管となって桂離宮という名に変わった。

住宅街に囲まれながらも、広い敷地内から外が見えないように木々で覆われている。外が見える箇所は、わざわざ田畑を作り、この時期は稲があおく伸びていた。広い敷地は約69,000u。その中に、夏や冬、山や海など色んな顔を持つ離宮。日本の伝統建築の最高峰とまで言われる美しい建物は、細部に渡って工夫がなされ、見る人が見れば息が詰まるほどとも言われる。とはいえ、伝統的な日本庭園からはほど遠いモダンさも兼ね備える。自然の形ばかりでなく、人工的な直線の多さも印象に残る。また、池を掘って、その土を盛って山に見立てるなども斬新だ。

石畳。直線的に切り取った石と、自然の丸みをおった石を組み合わせたり、直線ばかりだったり、自然のまるっこいものばかりだったり。書道でいう楷書、草書、行書。石畳ひとつとっても、桂離宮には3つの顔がある。解説員の方は、声をからし、本当に細部まで説明してくれた。通常1時間の見学を1時過半、有意義な時間だった。今度は青葉の頃、行きたいな、と思った。

ぐるっと一周して、また御幸通りに戻ってくると、晴れ間ものぞいて、何とも晴れやかに。雨が上がって晴れる天気の移り変わりと伝統建築の美の結集を目の当たりにして、本当に贅沢な気分になれた。借りていた傘を返し、ついでに桂離宮模様?のポチ袋をお土産に買った。

そして桂離宮を出て桂大橋の麓にある中村軒にて、名物・麦代餅を頂いて帰る。

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