Kawaii 日本美術展
2014年02月22日
山種美術館

恵比寿駅を降りて、広尾へ向かって歩く。坂道、歩道橋などを越えて10分強、國學院大学に行くまでに山種美術館はある。途中、パパスの本社ビルにある真っ黒なダビデ像(本物は白色)を見上げて、おお、と一声あげる。

日本画を専門で扱う美術館ならではの?特別展、Kawaii 日本美術展を見た。

思っていた以上の人の数にびっくりする。小さな美術館だし、それほど展示物も多くない。それなのに入場料が1200円なのは、広尾という場所代か?とか。この日、昼過ぎになってしまったので、マダム達がランチ終わりにちょろっとのぞきに来て、たまたまそういう人達に巻き込まれているだけか、などなど色々思いましたが、入ってすぐ、伊藤若冲の「伏見人形図」を見て納得。確かに、この展覧会は面白いのだ。(下の写真は美術館ホームページより)

お目当てはもちろん、後期にしか展示されない伊藤若冲の屏風「樹花鳥獣図屏風」であったが、その他にも、名作揃い。それも知っている人の知らない作品という、展覧会で出会うものとしては、一番の結果になった。そんな作品を一つ挙げろ、と言われれば、竹内栖鳳の「緑池」だろうか。なんとも繊細で、サインを入れる場所までもがパーフェクトな一枚だった。

かわいい。日本が世界に発信するこのキーワードは、文字の世界なら平安時代から、絵の世界でも近代絵画に多いという。そんな作品を集めているだけあって、子供や小動物が、思わず「かわいい」」と口ずさむほどにかわいく描かれている。

平面で平坦で、ある意味イラストや漫画チックなところが、今にも通ずる、世界に通用する日本の技というところか。

熊谷守一は確かにすごい。横山大観もさすがで、何時までも頭から離れない柴田是真の「墨林筆哥」。色のはっきりしたカエルよりもむしろ、ほとんど白の富士山が、忘れられない。

←↑山種美術館公式ホームページより

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