建仁寺
The Oldest Zen Temple Kenninji
Kyoto, Japan
入り口を入ってすぐ、風神雷神図(俵屋宗達、陶板複製)が。
複製とはいえ、デジタル技術の発達で、まぁ、見事な金色なり。
京都は四条。花見小路の突き当たりにある建仁寺。
地理的な好条件に加えて
舞妓さん風情に溢れて観光客が絶えない。
わらびもちの徳屋には相変わらずの行列で。
しかししかし、
雨がしとしと降る日は、心なしか人も少なく。
加えて、この禅の寺は、
雨のしとしとが、これまた情緒があるというか。
秋の始まり、雨の中。禅空間はまさに絶景でした。
冬場は閉じられている障子が開け放たれ、広々した空間がお目見えする。小書院手前の「○△□乃庭」、そして大書院との間の「潮音庭」。この視界の伸びがものすごく気持ちいい。渡り廊下を静かに歩きながら、あ〜わびさび、なんて。写経ができる部屋もある。
大雄苑は「これぞ庭」という完璧な空間。縁側に座って、ぼんやり雨の音を聞きながら。手前に敷かれた小石に弾き、なんとも乙な音と色の空間美。計算した美が目の前に現れたとき、計算し得なかった「何か」が+αされる自然のおもしろさ。そんなものに、ぼんやり心の耳を澄ましてみたりして。
茶室までの飛び石を踏んで、渡った先の空間が、これまた禅だったりする。
最後はなんといっても法堂の天井に描かれた双龍図。口を開いた「あ」の龍と、口を閉じた「うん」の龍。二匹そろって描かれることも珍しいという。龍は水の守り神。昔から「火事」を恐れた日本の寺には天井に龍を描くことが多い。この龍、豚や牛や蛇や魚など数種類の動物が一体となり、「龍」の姿となっている。大きさは畳108枚分。日本最古の禅寺「建仁寺」の開祖800年の記念で日本画家小泉淳作氏によって描かれた。2002年完成。
京都に住んでいた、はたまたここ10年ほど京都に行っていないという人はまだ知らない圧巻の天井画。
これは、建仁寺のもつ「空間美」にしっぽりした後、ガツンと見せてくれる天井画だ。必見也。